女性の就職・転職に有利!今注目の「キッチンスペシャリスト資格」とは?

女性の就職・転職に有利!今注目の「キッチンスペシャリスト資格」とは?

女性ならではの感性を生かせる人気資格といえば「インテリアコーディネーター」が有名ですが、その関連資格のひとつである「キッチンスペシャリスト」という資格はご存知でしょうか?キッチンスペシャリスト資格は今、インテリア業界でも女性が活躍できる資格として大変注目されています。ここではキッチンスペシャリストの仕事内容から就職について、資格取得の学習方法まで徹底解説します。

目次

1. キッチンスペシャリストとは?

キッチンスペシャリストとは、インテリアコーディネーターの扱う分野の一部である「キッチン」に特化した資格のことです。手に職を付けたいと希望する女性が増加している今、インテリアコーディネーターやCADオペレーターと並び、非常に注目されている資格の一つです。では「キッチンスペシャリスト」とは一体どんな職業なのでしょうか?具体的な内容を詳しく解説します。

1-1. どんな資格なの?

キッチンスペシャリスト(KS)とは、生活者のニーズに合わせて、キッチン空間・機能・設計・施工の知識を活かし、快適で使いやすいキッチン空間を提案・アドバイスするスペシャリストです。キッチンに関する知識に特化した資格なので、取得後は正式な「キッチンスペシャリスト」として専門的な知識を生かし活躍できる女性にも大変人気がある資格です。

優れた機能性と使い勝手や収納力など、住まいの中でもキッチンにこだわりを持つ女性は多いのではないでしょうか。そんなキッチンも昔は「台所」と呼ばれ、土地の北側の寒い場所に設計され、非常に閉鎖的なスペースでした。しかし「キッチン」は今、私たちのライフスタイルの変化に伴い、インテリアの一部として考える人が増えはじめています。新築やリフォームにおいても家族が集うリビングダイニングの中心にキッチンを設計するプランを希望する人が増えていることからも、将来性のある職業として業界でも大変注目されています。

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1-2. 具体的な仕事内容は?

同じくインテリア業界で女性に人気の資格に「インテリアコーディネーター」があります。インテリアコーディネーターは住宅設備・家具・照明など居住空間全体に対し幅広い視野で提案を行うスペシャリストです。 一方のキッチンスペシャリストはキッチン周りに特化した専門家なので、設計に関する知識や経験はもちろん、電気・ガス・水道などの設備関係の安全対策と知識、人間工学やキッチンの機能について、食生活や衛生面の知識から法律まで、インテリアコーディネーターに比べ、ポイントを絞った専門的な深い知識とそれを生かせる技術が必要となります。

キッチンスペシャリストのお仕事において、幅広い専門知識が必要なのはもちろんのこと、一番重要なことは「ヒアリング」です。ヒアリングとは綿密な打ち合わせのなかで、依頼のあった顧客の要望をしっかりと把握し、予算や住環境の条件などの基本的な必要な情報をすべて聞き出すことで、双方で完成イメージを共有し、要望とイメージの相違がないようにする必要があるために行われます。

この「ヒアリング」はインテリアコーディネーター同様、キッチンスペシャリストにとって最も重要な業務です。事前にヒアリングを何度も行い、図面や提案書としてプランニングや家具リスト、具体的にかかる費用の見積もりも作成します。ショールームの中で、実物のキッチンを見せながら相談に乗ったり、提案イメージを具体的に伝え、お客様にとって最も適した商品を選定するためのアドバイスをするのもキッチンスペシャリストのお仕事です。他にもキッチン周りのリフォーム相談に応じたり、新築住宅のキッチン周りのみを専門的に提案したりすることもあります。

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2. キッチンスペシャリスト資格試験とは?

未経験からキッチンスペシャリストとして活躍するためには、まず資格を取得すると就職・転職に大変有利です。入職時に取得しておくと資格手当として給与アップを見込むことも可能です。キッチンスペシャリスト資格を取得するためには「キッチンスペシャリスト資格試験」を受験する必要があります。

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2-1. 取得すると何ができるの?

キッチンスペシャリスト資格は社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格で、特に20代?30代の女性に人気が高い資格です。キッチンスペシャリスト資格を取得し、協会に有資格者としての登録を行うと「キッチン空間に設置されている各種設備機器について、生活者の相談に応じ、多様化する生活者ニーズに対応できるプロフェッショナル」としてインテリア産業協会から正式に認定されます。(出典:公益社団法人インテリア産業協会

キッチンスペシャリストとして活躍するためには、必ずしもキッチンスペシャリスト資格がなくてはいけないというわけではありません。1級・2級建築士のように、資格を所有していなければ建物を建ててはいけないいう法律上の決まりはありませんが、キッチンスペシャリスト資格があればより実力を証明することができ、クライアントに安心感を与えることもできます。インテリアコーディネーター同様、資格取得のための学習をすることで、より専門的で深い知識を身に着けることができるので、受け持つ仕事の幅も広がります。すでにキッチンスペシャリストとしての実務経験のある方も、基礎知識から再認識することでさらにスキルを高め、普段の仕事に生かすことができるでしょう。

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2-2. 主な就職先やキャリアプランは?

キッチンスペシャリスト(KS)の資格取得後の主な就職先は、キッチン機器メーカー、工務店、リフォーム会社、住宅メーカー、工務店、設計事務所などが主となります。キッチンスペシャリストは専門職として正社員の求人が多いですが、派遣社員やアルバイトとして経験を積んだあと、正社員となる方も多くいるため働き方は様々な業種です。また、経験を積みながらあわせてインテリアコーディネーターの資格も取得し、フリーランスとして独立活躍する方も多数います。キッチンスペシャリストとして活躍する上で最も大切なことはインテリアコーディネーター同様「経験を積む」ことです。専門的なスキルを身に着けると、経験次第では独立も可能で、独立せずともライフプランに左右されることなく住宅関連企業内で長く働くことも十分可能な職業です。

インテリア業界において、これからの時代「リフォーム」と「リノベーション」の需要が増えると言われています。 商業施設も一般住宅も、築年数が経過してもすぐに壊したりはせず、既存の建物を活かし、内装やインテリアの他、キッチンやバス・トイレなどの古くなった設備をリフォームし、新たな機能や価値を加えリニューアルする傾向にあるため、インテリアコーディネーターの他に、キッチンスペシャリストも非常に需要が高まるであろうことが予想されています。インテリア業界について詳しくは、以下の記事をご参照ください。

参考記事
憧れのインテリア業界で働きたい!家具・インテリア業界の売上最新ランキングから役立つ資格まで徹底解説

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2-3. こんな方におすすめ

「キッチンスペシャリスト」という職業は、キッチンが今よりもっと使いやすくなるような提案を常に考えるため、圧倒的に女性に向いている資格です。生活の中でキッチンに立ち料理をすることが多い女性は、日々のアイデアをそのまま仕事に生かすこともできるため、セカンドキャリアとして資格を取得する女性も多くいます。

また料理が好きで、キッチン周りや食器までトータルで「食」にこだわりを持つ方ようなにもおすすめです。普段から思いつくアイデアをそのまま仕事に反映させることができるので、おしゃれで便利な上に料理を作る楽しさも倍増するようなキッチンが提案できるかもしれません。

近年、上質な室内環境や自宅の中で、家族や気の合う人たちとゆったりと快適に過ごす時間を重要視する人が年々増加しています。それに伴い、自宅のLDKの中心にキッチンを配置し、リビングから一続きのインテリアとして、素材や見た目、照明に至るまで細部にこだわったデザイン性の高いキッチンを求める人が増えています。そういった理由から、これからの時代のキッチンスペシャリストには、トレンドのインテリアとマッチするようなデザインやコーディネートを提案できるようなセンスとスキルも求められると言われています。

キッチンスペシャリストはインテリアコーディネーター同様、さまざまな方と接する機会の多い職業です。クライアントはもちろん、システムキッチンや照明関係の設備関係業者、タイルや床材などを扱う建材関係業者、また現場に同行し施工技術者や職人さんたちまで、幅広い職種の方と接する機会が大変多くあります。アイデアを考えて図面を描く以外に、打ち合わせや電話・メールなどの接客対応も多いため、人と関わることが好きな方や、コミュニケーション力を活かしたお仕事をしたい方にもおすすめと言えます。

キッチンスペシャリスト資格はインテリアコーディネーター資格とあわせて取得する女性も増えています。キッチンスペシャリストもインテリアコーディネーター同様、トレンドに敏感な方や新しいものやデザインが好きな方、手先が器用で美的センスに自信がある方にとってもおすすめの資格です。 インテリアコーディネーター資格について詳しくは、以下の記事をご参照ください。

参考記事
業種未経験でも取得できる!インテリアコーディネーター資格とは?

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3. キッチンスペシャリスト資格試験の受験概要

キッチンスペシャリスト資格試験とは実際にどんな試験なのでしょうか?ここでは受験資格や試験科目の内容、申し込み方法や受験料などについてそれぞれ詳しく解説します。

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3-1. 受験概要

試験は学科と実技の2科目です。キッチンスペシャリスト資格試験に合格するためには、キッチン空間を構成する要素に関する設備機能や、水回りの仕様や設計上の知識、また、ガス・電気・水道等の防災対策や建築構造との取り合いについての法律や技術分野の幅広い知識も求められます。

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3-1-1. 受験資格

年齢・性別・学歴・職業・経験は問いません。(但し、出題・解答は日本語のみ)

出典:公益社団法人インテリア産業協会

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3-1-2. 受験できる地域

札幌・盛岡・仙台・高崎・東京・名古屋・金沢・大阪・広島・高松・福岡・沖縄

出典:公益社団法人インテリア産業協会

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3-1-3. 試験科目と試験時間

  • 学科試験:マークシートによる択一式(事前説明10分・試験時間120分)
  • 実技試験:記述式(事前説明10分・試験時間120分)

出典:公益社団法人インテリア産業協会

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3-1-4. 免除制度について

学科試験または実技試験のどちらかに合格した場合は、次年度から3年間、 合格した試験が免除されます。今年度は、試験免除申請通知番号の上2ケタ26、27、28の方が対象となります。

出典:公益社団法人インテリア産業協会

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3-1-5. 持ち込める筆記・製図用具

学科試験・実技試験、それぞれの試験を受験する際、試験会場に持ち込める用具は次の通りです。

学科試験

  • 鉛筆またはシャープペンシル(BまたはHB)(万年筆・ボールペンは不可)
  • 消しゴム
  • 実技試験

    鉛筆もしくはシャープペンシル及び消しゴムを使い、フリーハンドで作成することを原則とするが下記のものは使用を許可する。

    • 字消し板
    • 直定規
    • 電卓
    • ※受験票に記載する「試験当日の持ち物」等をご確認ください。
      ※当日、会場での筆記用具等の貸し出しは致しません。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-1-6. 申し込み方法と受験料

      申し込み方法と受験料は、以下の受験区分によりそれぞれ異なります。

      • 同一年内に学科試験、実技試験を受験する方
      • ・受験区分:総合タイプ
        ・受験料:14,000円(税込)

      • 学科試験のみ受験する方
      • ・受験区分:学科<先取り/実技免除>タイプ
        ・受験料:10,800円(税込)

      • 実技試験のみ受験する方
      • ・受験区分:実技<先取り/学科免除>タイプ
        ・受験料:受験料:10,800円(税込)

      受験区分と受験料についての重要な注意事項

      受験申込後における、受験区分・受験地・受験者の変更ならびに受験料の返金は、いかなる理由の場合であっても一切応じられないものとなっています。また、次回以降への延期もできないため、申し込み時にはご自身の受験区分をしっかりと確認し、当日になって間違えに気づいたなどということのないよう、細心の注意を払うようにしましょう。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-2. 試験審査の範囲と審査基準

      キッチンンスペシャリスト資格試験は学科と実技の2科目に分かれています。受験勉強をする前の段階で、まずはしっかりと事前に試験範囲と合格するための審査基準についてもしっかりと把握しておきましょう。

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      3-2-1. 学科試験

      • 住居と食生活に関すること
      • 次の事項に関する基礎知識を有していること。
         1.家族と生活の変化(生活時間、家事、家計等)
         2.食生活とキッチン・調理(食品、調理技術等)
         3.住いの歴史と設備・環境
         4.キッチン・バスのタイプ、レイアウト、水廻り
         5.食関連法規

      • キッチン空間に関すること
      • 次の事項に関する基礎知識を有していること。
         1.キッチンのプランニング(レイアウト等)
         2.キッチンの人間工学(機能寸法、調理の動作空間等)
         3.キッチンの室内環境(採光・照明、換気、給排水、音等)
         4.キッチンのインテリア(仕上材、カラースキーム、インテリアスタイル等)
         5.環境・省エネ関連法規

      • キッチン機能に関すること
      • 次の事項に関する基礎知識を有していること。
         1.システムキッチンの構成材(規格、種類等)
         2.部品部材のハードウェア(キャビネット等)
         3.ビルトイン機器(冷凍冷蔵庫、食器洗い乾燥機、加熱調理機器等)
         4.電気・ガス・水道の基礎(電気設備・ガス設備等)
         5.設備関連法規・JIS・ISO・省エネ等

      • キッチン設計施工に関すること
      • 次の事項に関する基礎知識を有していること。
         1.キッチンと設計図書(設計図書、表現図法等)
         2.設計実務(設計条件、計画図面等)
         3.施工実務(施工条件、施工図面等)
         4.設計施工の実務(プレゼンテーション、設計施工等)
         5.建築関連法規

      • キッチン販売に関すること
      • 次の事項に関する基礎知識を有していること。
         1.マーケティング(市場、商品、企画、開発等)
         2.販売概論(販売計画、コミュニケーション活動等)
         3.販売実務(コンサルティング、見積、契約等)
         4.販売基礎(利益管理等)
         5.販売関連法規

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-2-2. 実技試験

      筆記(図面表現)方式によるキッチン空間の企画・提案に関すること。
      平面図、展開図、立体表現等の図面表現等の筆記により、キッチン空間の企画・提案を行う能力を有していること。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-3. 試験当日と資格取得後の注意事項

      キッチンスペシャリスト資格試験には、受験前と合格後にそれぞれ注意しなければならないことがいくつかあります。ここではそれぞれのケース別に分けて詳しく解説します。

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      3-3-1. 試験会場に関する注意事項

      試験会場についての注意事項は次の通りです。

      • 同じ試験地で複数の会場が設定されている場合は、会場の選択はできません。
      • WEBで掲載している会場は予定会場のため、変更の可能性もあります。受験票に記載の会場が正式な受験会場となります。
      • 試験会場への直接の問い合わせはできませんのでご注意ください。
      • 試験日前日までに試験会場の下見のために会場に入ることはできません。
      • 試験会場に託児施設はないため、幼児を連れての受験はできません。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-3-2. 試験当日の注意事項

      試験当日についての注意事項は次の通りです。

      • 試験当日、会場での筆記用具・製図用具の貸出はできません。
      • 試験開始前に10分間の説明があるため、事前説明開始までに必ず着席しましょう。
      • 試験開始後30分を過ぎた場合の受験は認められませんのでご注意ください。
      • 実施時間は変更になる場合があるため、必ず受験票を確認しましょう。
      • 原則、試験会場内に自動車・二輪車での来場はできません。
      • 試験当日またはその前後に不測の事態(自然災害、新型感染症の流行など)が発生した場合、資格試験の開催状況については公式ホームページ上で通知されるので、随時確認するようにしましょう。
      • 試験直前(前日・当日)の緊急連絡は資格試験運営事務局へ問い合わせましょう。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      3-3-3. 資格取得後の注意事項

      正式にキッチンスペシャリストとしての承認を受けるためには、資格取得後に主催団体であるインテリア産業協会に必ず登録をしなければなりません。登録には申請期間が定められており、登録をしてはじめて協会認定のインテリアコーディネーターとして、インテリアコーディネーター証が交付されます。この期間内に登録手続きを済ませなかった場合、せっかく勉強して取得したキッチンスペシャリスト資格も、キッチンスペシャリスト資格保持者として協会に登録する権利もすべて失効してしまいますので細心の注意が必要です。また登録・更新をするためには以下の手数料が発生します。

      • 初年度から5年間の登録料:14,000円(税込)
      • 5年目以上の更新手数料:14,000円(更新登録費、税込)

      更新手続きに関する資料は、資格有効期限前年の11月?12月頃に公益社団法人インテリア産業協会より送付されます。キッチンスペシャリストとしての登録を継続する場合は、登録申請書の提出と更新手数料の納付手続きをすれば、引き続き協会認定のキッチンスペシャリストとして登録が更新されます。

      また資格放棄の申請があった場合は資格放棄となります。また、定められた期日までに手続きを完了されない場合は資格放棄と見なされキッチンスペシャリスト資格は失効してしまいますのでご注意ください。また、資格取得後であっても、キッチンスペシャリストとしての信用を著しく傷つけるような行為等、適正な職務遂行に支障があると協会が認めた場合、キッチンスペシャリストの登録を抹消されることがあります。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      4. キッチンスペシャリスト資格取得のための学習方法

      キッチンスペシャリスト資格試験は学科と実技から構成されていて、出題範囲もあらかじめ決められています。 実技試験のための学習にはひたすら手書きでパースを書いて練習する必要があるため非常に時間がかかります。そのため基本的な学習方法として、まずは学科試験をクリアし、免除期間の3年間を使って実技試験に備えるという方法がおすすめです。学科試験はひたすら過去問題集をたくさん解いておくことですが、ここではより具体的な学習方法について解説します。

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      4-1. 独学で学習する

      一次試験を独学で学ぶコツは、まずはできるだけたくさんの過去問や予想問題をひたすら解くことです。その理由は3-1-4. 免除制度についてにある通り、学科試験だけでも先に合格しておくと次年度から3年間、学科試験が免除されるためです。その3年間に作図の練習や試験対策に集中することができるので、特に業界未経験の受験希望者は、まずは学科をしっかり押さえておくとよいでしょう。

      もちろんキッチンスペシャリストとしての基礎知識は必要なので、過去問題集のほかにメインのテキストも用意しておきましょう。

      しかし全くの初心者の方が独学で一から学ぶには、公式テキストから学習に入ることはおすすめではありません。なぜなら公式テキストはまさに専門的な教科書という内容構成なので、キッチンスペシャリストになるための専門用語がたくさん出てきます。そのためハードルが高く内容が難しいと感じ、せっかく資格を取得しよう思った意欲が下がってしまう可能性もないとは言い切れません。

      また「キッチンスペシャリスト」といっても、インテリアに関する知識や考え方は必須です。そのためまずはインテリアやキッチンがどんなものかを知ることができる本を選び、体系的に把握することから始めてみましょう。

      設計者とインテリアコーディネーターが知っておきたい デザインキッチンの新しい選び方

      本間 美紀 (著)

      脱システムキッチンの時代が来ました。
      今、キッチンは驚くほど楽しく新しくなり、インテリアからキッチンを考えるユーザーが増えています。
      300件のキッチンを取材した著者が、新しい時代のニーズにワンランク上の提案ができるデザインキッチンの考え方を解説。自分らしいキッチンづくりを考える人にとっても読みやすい内容です。70人の現場のプロへのヒアリング、全国のメーカー&ショップリスト付。

      目次
      はじめに―300件以上のキッチンを取材してわかったこと
      1章 暮らしが変わって、キッチンも変わった
      2章 キッチンの新しい選び方
      3章 インテリアが変えたキッチンの常識
      4章 食生活が変えたキッチンの常識
      5章 依頼主にアドバイスをするためのヒント
      デザインキッチンリスト

      出典:amazon

      実務経験者の方やキッチンやインテリアに関する基礎知識が少しでもある方は、唯一の公式テキストキッチンスペシャリストハンドブックをはじめにそろえるとよいでしょう。この教科書は内容が大変充実しており、資格取得後にキッチンスペシャリストとして活躍するうえでも資料として非常に役立ちます。もちろん試験の内容もこのテキストに準じ出題されます。これからキッチンスペシャリストを目指すのなら、是非手元に1冊用意しておくことをすすめします。

      キッチンスペシャリストハンドブック

      インテリア産業協会 産業能率大学出版部(著)

      キッチンと暮らしの在り方を体系的に説き、キッチンスペシャリストとして必要な知識・情報・技術を網羅したハンドブック。単位・数値を全面的に見直した昭和63年刊の改訂版。

      目次
      第1章 暮らしと住まい
      第2章 空間としてのキッチン
      第3章 道具としてのキッチン
      第4章 キッチンの設計・施工
      第5章 キッチンの販売
      第6章 関連法規
      付録

      出典:amazon

      公式ガイドブックは、最新版が第5版の2007年出版で、単位・数値を全面的に見直した昭和63年刊の改訂版となっています。今後も資料として長く使えるテキストのため一から学ぶのであればできるだけ新品購入をおすすめしますが、数年の経年でしたら中古本の購入でも構いません。しかし過去問題集だけは近年の出題傾向を把握するために必ず最新のものをそろえるようにしましょう。

      キッチンスペシャリスト資格試験過去問題徹底研究2016-2017年版

      HIPS合格対策プロジェクト(編集)

      キッチンスペシャリスト資格試験唯一の過去問題集!
      過去6年分(2010?2015年度試験)の学科試験から精選した重要問題と、過去3年分(2013?2015年度試験)の実技試験問題を収録。学科試験は詳細な解答解説付きで、分野別に収録していますので、 効率よく学習することができます。
      実技試験は模範解答と、詳細な解説付きです。キッチンスペシャリスト過去問題集の決定版!! 受験生のマストアイテムです!
      目次
      はじめに
      本書の利用のしかた
      キッチンスペシャリスト資格試験について
      分野別記載ページ早見表
      【学科】
      1 暮らしと住まい
      (1)家族と生活様式
      (2)食生活と調理
      (3)住まいとインテリア
      (4)キッチンと水廻り
      2 空間としてのキッチン
      (1)キッチンのプランニング
      (2)キッチンの人間工学
      (3)キッチンの室内環境
      (4)キッチンのインテリア
      3 道具としてのキッチン
      (1)システムキッチンの構成材
      (2)システムキッチンの部材・部品
      (3)システムキッチンの機器
      (4)電気・ガス・水道
      4 キッチンの設計・施工
      (1)設計図書
      (2)設計実務
      (3)施工実務
      5 キッチンの販売
      (1)マーケティング
      (2)マーチャンダイジング
      (3)コンサルティング
      (4)法規
      【実技】
      平成27年度実技試験 問題・解答用紙/解答例・解説
      平成26年度実技試験 問題・解答用紙/解答例・解説
      平成25年度実技試験 問題・解答用紙/解答例・解説

      出典:amazon

      実技試験について、作図の練習の基本は「トレース」です。トレースとは完成した図面見ながら、それと同じに描く作業のことです。上達のコツは何度も描いて練習することです。繰り返し描いているうちにスピードも上がり上達はしますが、作図にはある程度のコツやセンスは必要なので、実技については試験前までに経験者や講師に一度添削してもらうとよいでしょう。

      キッチンスペシャリストの一番わかりやすいキッチン製図入門

      中原 章 (著)

      キッチンスペシャリスト資格試験対策から実践まで役立つ製図テキスト。

      キッチンの設計製図に関して必要な基礎知識を初心者向けに解説。さらに実際に作図できるようになるための手順や描き方を具体的に説明。

      キッチンスペシャリストハンドブック執筆者による製図入門書!
      キッチンスペシャリスト試験の実技試験(製図)に照準を合わせた実践テキスト。
      初心者から学べる『製図の基礎知識解説』付。
      合格図面の作成手順・描き方がマスターできる。

      出典:amazon

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      4-2. スクールで学習する

      スクールで学ぶ一番のメリットは、基礎からしっかりとポイントを絞って教えてもらえるということです。出題範囲は非常に幅広いので、効率よく学習できるプログラムで計画的に勉強することもでき、最近の出題傾向を教えてもらうことも可能です。専門の講師に直接質問ができる環境があるため、受験まで安心して学習できるというメリットもあります。また現役のインテリアコーディネーターやキッチンスペシャリストを務める講師がいるスクールもあるので、実際の仕事について知る機会にもなります。ただし高額な受講料がかかってしまうため、転職や離職のタイミングを考慮しながら教育訓練給付制度が利用できるスクールを探したり、受験前に開催される直前対策講座を探して受講するのもおすすめです。

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      4-3. 公式の通信講座で学習する

      産業能率大学の「キッチンスペシャリスト 通信講座」はキッチンスペシャリスト資格試験を主催する(公社)インテリア産業協会が唯一公式に開講している通信講座です。受講者の受験計画にあわせて、学科と実技の総合講座、学科のみの講座・実技のみの講座の3コースから選ぶことができます。

      • キッチンスペシャリスト(総合)受験講座
      • ・対象者:学科試験にも実技試験にも完全対応。キッチン空間の専門家をめざす方。
        ・受講料:38,880円(税込)
        ・受講期間:8か月
        ・在籍期間:16か月まで可
        ・教材構成:テキスト 7冊・副教材 2冊・添削 8回
        【特色】
        試験にポイントを絞った構成で、試験科目の要点を効率よくつかみながら、全体の内容を把握していくことができます。「図面に関する基礎知識」のテキストでは、製図の基本、設計の基本から解説していますので、今まで製図や設計に馴染みのない方でも実技試験の合格をめざして学習することができます。

      • キッチンスペシャリスト(学科)受験講座
      • ・対象者:学科試験のみに対応。キッチン空間の専門家をめざす方。
        ・受講料: 25,920円(税込)
        ・受講期間:5か月
        ・在籍期間:10か月まで可
        ・教材構成:テキスト 5冊・副教材 1冊・添削 5回
        【特色】
        試験にポイントを絞った構成で、試験科目の要点を効率よくつかみながら、全体の内容を把握していくことができます。

      • キッチンスペシャリスト(実技)受験講座
      • ・対象者:実技試験のみに対応。キッチン空間の専門家をめざす方。
        ・受講料:22,680円(税込)
        ・受講期間:3か月
        ・在籍期間:6か月まで可
        ・教材構成:テキスト 2冊・副教材 1冊・添削 3回
        【特色】
        試験にポイントを絞った構成で、試験科目の要点を効率よくつかみながら、全体の内容を把握していくことができます。「図面に関する基礎知識」のテキストでは、製図の基本、設計の基本から解説していますので、今まで製図や設計に馴染みのない方でも実技試験の合格をめざして学習することができます。

        これらの講座はすべて資格認定団体主催の講座なので、内容も実際の試験に即しているのが特徴です。通信講座のため、お住いの地域に関係なく全国の受験者が安心して受講できるというメリットもあります。また受講中わからないことがあれば、オンラインの学習支援サイトから講師へ質問が可能です。業界未経験の方で独学で学習予定の方は、学科をご自身で勉強した後、通信講座で実技のみのコースを受講するのもよいでしょう。

      出典:学校法人 産業能率大学 – キッチンスペシャリスト通信講座

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      5. 平成28年度(第34回) KS資格試験の合格率は? 試験結果と統計をまとめました

      平成28年度(第29回)のキッチンスペシャリト資格試験は、平成28年12月4日(日)に全国12地域で実施されました。キッチンスペシャリト資格認定団体であるインテリア産業協会が発表した統計をもとに、それぞれ詳しくまとめました。

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      5-1. 平成28年度試験の申込者・受験者・合格者は?

      平成28年度(第29回)のキッチンスペシャリト資格試験では、「学科」科目の試験を実施し、1078名が受験し、569名が合格し、合格率は52.8%となりました。また「実技」試験は、998名が受験し、443名が合格し、合格率は44.4%という結果になりました。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      5-2. 過去5年の合格者数の推移

      この統計は過去5年間の合格者数の推移を表していますが、直近5年間で受験者数が年々増加していることがわかります。それに伴い合格率は減少傾向にあり、直近の平成28年度(第29回)実施試験に至っては、学科試験・実技試験を通しての合格率は40%を切っていることが分かります。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      5-3. 過去5年の合格者数の男女別推移

      学科試験・実技試験を通じ、平成28年度合格者の男女別割合は、男性141人、女性276人となっており、直近5年間の統計からも女性の比率の高い傾向が続いています。過去5年間の統計でも女性の受験者が圧倒的に多いため、それに伴い女性の合格者数が多くなっているという結果となっています。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      5-4. 合格者の男女別年齢構成(前年比)

      合格者を男女年齢別で見ると30歳?39歳の女性が圧倒的に多いことが分かります。男性では30歳?49歳の方の割合が多くなっています。またキッチンスペシャリスト資格は、女性はインテリアコーディネータと合わせて取得する方が多く、男性は一級・二級建築士資格と合わせて取得する方が多いとも言われています。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      5-5. 地域別合格者数と業種別合格者数(前年比)

      同合格者の地域別割合は、関東甲信越地区が47.2%を占め、次いで関西地区の15.6%、中部地区13.9%の順で、大都市圏を含む3地区の合格者が全体の約80%近く占めています。 また業種別割合では住設機器類(厨房・バス関連、空調、家電品等)、施工(新築、リフォーム、内装関連)が圧倒的に高く、全体の約80%近く占める割合となっています。

      出典:公益社団法人インテリア産業協会

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      6. まとめ

      キッチンスペシャリスト資格に合格するために、まず最も重要なことは過去問題を繰り返し解くことです。問われ方が異なるだけで似たような問題である場合も多く、ひたすら繰り返すうち、感覚的に出題傾向が分かってくるはずです。

      学科については基礎をきちんと理解したうえで何度も反復することで確実に身に付きますが、実技は暗記では対応できません。実技試験も繰り返し図面を描いて練習をする必要がありますが、ただ描くだけではなく決められた時間内に例題に沿ってきれいに見やすく描けるようにする必要があります。そのためには普段から生活空間の中にあるキッチンやキッチン周りにあるキャビネットなどのモジュール寸法を把握する習慣をつけることがおすすめです。

      モジュール寸法とは、建築やインテリアにおいて設計するうえで基準となる基本寸法のことです。常にメジャーを持ち歩き、身の回りのさまざまな家具や家電、キッチンなど目についたものを測ってみると寸法感覚は確実に身に付きます。そうするうちにキッチンやキャビネットを目で見ただけで、その対象物の幅・奥行・高さなどの寸法がわかるようになり、図面やパースがフリーハンドでも楽に描けるようになってくるでしょう。

      実務では手描きだけではなくパソコンを使って図面を描くスキルも必須です。そのため「CAD(キャド)」と呼ばれるパソコンを使って図面を作成するソフトの技術も合わせて習得しておくと就職・転職に必ず役立ちます。 またキッチンスペシャリストが活躍するインテリア業界は、実務経験が最も重要視されます。そのため結婚や出産などのライフイベントの多い女性にとっても働きやすく、キャリアを積んでおけば結婚して子供を持っても復帰しやすいこと、また結婚や育児の経験をそのまま仕事にも生かせるのも特徴です。

      近年のライフスタイルの多様化によって、キッチンはただ料理をつくるための「調理場」から、使い勝手や好みのデザインを自分らしくカスタマイズし、そしてその家族のライフスタイルを表現する「コミュニケーションの場」へ変化しています。特に20代から30代の女性の間では自分で作った料理や、そこに集まった家族や仲間を撮影し、SNSやブログに投稿する人が年々増加しています。

      そういった傾向からも、今後もキッチンに「自分らしさ」というこだわりを反映させたいと望む女性はますます増えると言われ、専門性の高い職種の需要が増加すると見込まれていることからも、キッチンスペシャリスト資格の人気は年々高まりつつあります。そのため、一から何か手に職を付けてみたいと考えている女性にとって、今最もおすすめの資格の一つといえます。 未経験から専門職を目指している方は、以下の記事もあわせてご参照ください。

      参考記事
      未経験から「手に職」を目指す時代に|2020年に向けた女性の働き方とキャリア需要の変化とは

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