DraftSightの全機能を大公開!無償版と有償版の違いとは?

DraftSightの全機能を大公開!無償版と有償版の違いとは?

無料CADソフトの定番と言えば「JW_CAD」ですが、「DraftSight(ドラフトサイト)」というフリーのCADソフトはみなさんご存知でしょうか?DraftSightも同じく無償であるにもかかわらず、JW_CADよりもさらに多機能であることも特徴の一つ。そして一番の注目すべきポイントは画面の構成や作図スタイルがAutoCADとほぼ同じということ。さらに無償版だけでなく万全なサポートが整った有償版もリリースされています。

1. DraftSightとは?

DraftSightは基本的にすべての機能を無料で使うことができます。ではDraftSightは具体的にどんなことができるCADソフトなのでしょうか?

1-1. どんなCADソフト?

DraftSightとはフランスのダッソー・システムズ社が提供している無償の汎用2次元CAD※です。
ダッソー・システムズとは「CATIA」「SolidWorks」など、主に製造業を支援するCADソフトを開発提供している、3Dソフトウェア市場におけるパイオニアでもある世界的なリーダー企業です。

※汎用2次元CAD:使い方が限定されていない2次元CADのこと

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1-2. DraftSightでできること

DraftSightの最大の特徴は、世界的に人気の汎用CADソフト「AutoCAD LT」に操作性が似ているということです。では、他にはどのような特徴があるのでしょうか?

DraftSightの主な特徴は次の通りです。

  • 無償であるにもかかわらず、AutoCAD LTとほぼ同等の機能を持ち合わせている
  • AutoCADの「コマンド」と呼ばれる作図命令方法をそのまま使用できる
  • 世界標準の「DWGファイル」「DXFファイル」を完全にサポートしている
  • 完全にAutoCAD互換CADのため、AutoCADユーザーや企業とのやり取りがスムーズ
  • PDF形式で出力できるので、他のソフトウェアとの互換性も高い
  • Windows以外のオペレーティングシステムでも使用できる
このように、DraftSightとは、フリーソフトでありながらもプロフェッショナルな機能を搭載した非常に実用性に優れたCADなのです。

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2. DraftSightは全部で2種類!

DraftSightは無償版の他に、実は有償版も提供されています。ここではそれぞれの機能と違いを解説します。

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2-1. DraftSight無償版

まずは、無償版の特徴と機能について詳しく見ていきましょう。

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2-1-1. 主な特徴

無償版はライセンスが1つのみです。無償版には一切のサポートはありませんが、無償でプロフェッショナル仕様の機能をすべて使うことができます。また、有償となりますが、インストールから各種設定のサポートが受けられる「DraftSight Prosumer Support(ドラフトサイト プロシューマーサポート)」というオプションもあります。

価格は12か月で38,676円(2018年9月現在)。このオプションを追加で購入すると、インストールやアクティベーションの他、設定方法についての手順を手厚く教えてもらえるので、作業に不安のある方にはおすすめです。 他には、電話やメールによるサポート、オンライン・コミュニティへのアクセス(英語のみ)、DraftSightの学習リソースが含まれているので大変お得です。Prosumer Supportの更新期間は3ヶ月間か12ヶ月間を選ぶことができます。

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2-1-2. すべての機能

無償版に提供されたすべての機能は次の通りです。

  • ユーザー環境および機能
  • ・デカルト座標系
    ・コマンドライン入力
    ・従来型のツールバーやメニュー
    ・ホイール・マウスによる画面移動およびズーム
    ・ブロックおよび参照ファイル
    ・画層、画層マネージャ
    ・多角形ビューポート
    ・ビューポートのロック
    ・ビューポートによる画層のフリーズ、ロックまたはオフ
    ・注釈背景マスク
    ・プロパティ・マネージャー
    ・プロキシ・オブジェクトの表示
    ・ダイナミック・パン/ズーム
    ・コマンド・エイリアス
    ・メニュー・ファイル
    ・CTBおよびSTB印刷スタイルテーブル
    ・SHXおよびTTFフォント
    ・線種ファイル
    ・ハッチ・パターン・ファイル
    ・テンプレート

  • インターオペラビリティ ― 相互運用性
  • ・DWG/DXFファイルの読み取りおよび書き込みサポート
    ・DWG/DXFファイルを元のバージョン形式で保存
    ・バイナリ/ASCII形式でDXFファイルを作成
    ・画像ファイル を添付(.bmp、.gif、.jpg、.jpeg、.png、.tif、.tiff)
    ・外部参照図面のアタッチ
    ・ファイルに出力(.jpg、.pdf、.png、.svg)
    ・.emf、.jpeg、.pdf、.png、.sld、.svg、.tif、.stlファイル形式で保存
    ・複数ページのPDFを作成
    ・eDrawingsまたはDrawings Nowの作成

  • 生産性の向上
  • ・統合されたオプションダイアログ
    ・強化された読みやすいコマンドプロンプト
    ・ホームパレット
    ・スマート電卓
    ・クイックプリント
    ・状況に応じたヘルプ

  • 設定/管理
  • ・Windows®、MacおよびLinuxオペレーティングシステムに対応
    ・Unicodeフォントを含む複数言語文字セットのサポート
    ・カスタマイズ可能なインターフェース
     (コマンド・エイリアス、ダブルクリック操作、メニュー、右クリックメニュー、ショートカットキー、ツールバーなど)
    ・簡単かつ無償のダウンロード
    ・すばやい“ワンクリック”インストール

  • 構成要素
  • ・円弧、円、線
    ・注釈および簡易注釈
    ・テーブル
    ・ブロックおよびブロック属性
    ・楕円および楕円弧
    ・リッチライン、ポリライン、3Dポリライン、スプライン
    ・点、リング
    ・ハイパーリンク
    ・ビューポート
    ・マスク、領域
    ・ISO、ANSIおよび一般的なハッチ・パターン
    ・単色塗り/グラデーション塗り
    ・寸法:円弧長、半径、直径、並列、長さ、座標など
    ・幾何公差、引出線、中心線

  • 製図ツール
  • ・スナップ/グリッド
    ・面取り/フィレット
    ・トラッキングガイド/極座標ガイド
    ・面積、距離または座標情報の入手
    ・ダブルクリックによる編集
    ・元に戻す/やり直し
    ・エンティティグリップ、エンティティスナップ、要素
    ・構築線、放射線、参照点
    ・フィルタやスマート選択、またはウィンドウ、交差ウィンドウ、交差線、多角形ウィンドウなどにより要素を選択

  • 図面設定ツール
  • ・カスタマイズ可能な座標系
    ・リッチラインスタイル
    ・画層マネージャー
    ・テーブルスタイル
    ・点の形式
    ・テキストスタイル
    ・単位系
    ・マルチレイアウト
    ・寸法スタイル
    ・ページレイアウトに名前を設定

  • 編集ツール
  • ・移動、尺度変更、回転
    ・ストレッチ、長さの変更
    ・ミラー、コピー、オフセット、パターン・コピー
    ・トリム/延長
    ・分割/結合
    ・ブロックをその場で編集、または単独で編集
    ・基本図面内から参照図を開く
    ・参照や画像のクリップ
    ・ハッチおよび塗り潰しパターン、原点などの変更
    ・注釈・プロパティの編集:方向、両端揃え、行間隔、文字の高さ、文字スタイルなど

出典:ダッソー・システムズ – DraftSight

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2-1-3. 最適なユーザーは?

学生や教職員、趣味で始める素人の方、CAD初心者の方、他の個人ユーザーに最適です。
またDraftSight Prosumer Supportは、導入からソフトウェアの設定についてまでのサポートが受けられることから、自営業の工務店や小規模~中規模の企業にとって最適なオプションと言えます。

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2-2. DraftSight有償版

次に、有償版の特徴と機能について詳しく見ていきましょう。

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2-2-1. 主な特徴

有償版には「DraftSight Professional Pack(ドラフトサイト プロフェッショナルパック)」と「DraftSight Enterprise Pack(ドラフトサイト エンタープライズパック)」の2つがあります。基本的にどちらも無償版と同じ機能ですが、無償版のDraftSightがより多機能になり、さらに安心して使えるよう考慮されています。この有償版はWindowsのみに対応しています。

そして、有償版には複数ライセンスのほか、アップグレードとサービスパックを利用できる12ヶ月間のサブスクリプションが含まれます。さらに有償版では、ソフトウェアの導入からカスタマイズにいたるまでのテクニカルサポートとサービスを含みます。その他、企業がスムーズにCADを管理できるような総合的なサポートを受けることも可能です。

また有償版は2種類あり、ライセンスの購入数によりどちらかを選ぶことができます。

  • DraftSight Professional Pack
    4つ以下のライセンスの購入が必要となります。最低購入ライセンス数はありません。
    価格は、一回限りの購入で永年使えるノン サブスクリプション版が33,600円、12か月ごとに更新のある年間サブスクリプション版が16,800円(2018年9月現在)。

  • DraftSight Enterprise Pack
    最低5つのライセンスの購入が必要となります。
    価格は1ライセンス57,900円。最低でも5ライセンス購入が必須なので、289,500円~の見積りとなります(2018年9月現在)。

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2-2-2. すべての機能

有償版ではWindows対応DraftSightの無償版のすべての機能に加えて、以下のサポートと機能が追加されます。

  • Toolbox for DraftSight
    スタンダード・ベースのメカニカル・シンボル・ライブラリとメカニカル・アノテーションのアドオン。これにより、標準ハードウェアのインサート、穴の作図、部品表や穴のコールアウトの作成、吹き出しや溶接・サーフェス仕上げのシンボル追加が可能

  • オプション・メニューでの検索
    お探しの事項を検索ボックス(オプション・メニュー)に入力すると、オプション・ダイアログ・ボックスに検索パスが表示されます。

  • Quick Group
    マウスを右クリックしてEntityGroupsを素早く作成できます。

  • バッチ印刷
    コマンドを使って、一連の作図やページ(Sheet)をバッチ処理で印刷できます。バッチ印刷ジョブをBatch Print List (*.bpl) ファイルに保存し、後日使用することが可能です。
    ※ユーザーがバッチ印刷できるのはPageLayouts設定・Print 設定済みのシートだけで、特定のシートのために直接設定されたか、又はその他の図面に保存されたPageLayoutやPrint 設定ファイルに保存されたPrint設定に沿って設定されている必要があります。また、バッチ印刷で使用される個々のPageLayoutsとPrint Configurationにプリンタを指定しなければなりません。

  • 画層プレビュー
    一連の特定の画層や個々の画層の内容を素早くプレビュー。どの画層にどのエンティティがあるかをチェックでき、ダイアログ・ボックスを一時的に閉じて画層をプレビューすることが可能です。

  • PDF アンダーレイ
    AttachPDF コマンドでPDF文書のページを図面に添付できます。これにより、参照用として特定のファイルを作成中の図面とリンクさせることができます。

  • 標準準拠の図面
    VerifyStandards コマンドにより、作成中の図面が業界標準、社内標準、カスタム基準に準拠しているかどうかをチェックできます。Layers(画層)、LineStyles(線種)、DimensionStyles(寸法スタイル)、TextStylesの名前やプロパティーを、関連する基準ファイルの内容と照合します。ユーザーは、標準外のアイテムを標準準拠のものと取り替えたり、フラグ付けして無視したり、そのままにしておくことができます。VerifyStandardsコマンドを実行する前に、使用されていないオブジェクトをCleanコマンドによって削除することを推奨します。

  • マスプロパティー計算
    リージョンのマスプロパティーを計算・表示できます。特定のリージョンの領域、外周、図心が計算され、そのリージョンの座標系(CSS) についての情報(CCSの名前、CCSの原点、 CCSのX軸、Y軸、Z軸の定義)も表示されます。

  • マクロレコーディング
    DraftSight API でプログラミングを始める最も素早く簡単な方法は、DraftSightでインタラクティブに実行される行為に相応するDraftSight APIコールを含むマクロを記録することです。

  • iQuestions の統合
    コミュニティ・タブを使ってDraftSight SwYm コミュニティにログインし、iQuestions コーナーで検索や質問ができます。

  • デザイン・ライブラリ
    DraftSight タスク・ペイン内のデザイン・ライブラリ・タブによって、ユーザーが定義した再利用可能な要素(ブロックなど)を中央に統合。それらの要素は図面ファイルに追加されます。ラインスタイルやレイヤーなどのコンテンツ・ファイルに関連するプロパティーが含まれます。 コンテンツをパレットからタスクペインにドラッグ&ドロップするだけで簡単に利用できます。

  • Drawing Compare
    2つの図面ドキュメントのエンティティを比較。図面の相違点はカラーコードで表示されます。
    ※Drawing Compare は、2つの図面のビットマップをビットレベルで比較します。図面比較の際、視覚的な変化のみ捉えられます。例えば、アノテーションを2mm左にずらすと、 その変化が比較に反映されますが、Description などのカスタムプロパティを変更した場合は、比較に反映されません。

  • DraftSight API
    DraftSight API でプログラミングを始める最も素早く簡単な方法は、 DraftSightでインタラクティブに実行される行為に相応するDraftSight APIコールを含むマクロを記録することです。

  • 毎年の製品アップグレード、新リリース、サービスパックの更新
    ライセンス有効期間中に利用可能

出典:ダッソー・システムズ – DraftSight

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2-2-3. 最適なユーザーは?

有償版は複数のライセンスを所持できる他、ネットワークライセンスや組織全体のコンプライアンス管理支援も行うことが可能です。そして技術サポートが付いているため、万が一の時も安心です。そのため有償版はユーザー数の多い大規模な組織に適していると言えます。

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2-3. 無償版と有償版の違いは?

無償版と有償版の違いは、上記に挙げた通り多くの機能が追加され、他ソフトとの連携が取りやすくなっていることと、複数のライセンスを所持できることです。また機能面以外での一番大きな違いは、電話とメールによるサポートが受けられるということが挙げられます。

無償版でも単純に作図するには十分な機能を持ち合わせていますが、お使いの目的や環境によっては有償版を検討してもよいでしょう。

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3. まとめ

DraftSightの最大の特徴は「有償版と同じ機能が無償版でもそのまま使える」ということ。

ほかにも、AutoCAD(オートキャド)の標準ファイル形式であるDWGファイルに対応していること、そして他のCADとの互換性フォーマットであるDXFにも対応していたりと、ユーザーにとっては嬉しいメリットばかり。

またWindows以外にも、ベータ版ではありますがMacやLinuxなど、さまざまなOSにも対応済み。AutoCADと互換性が高いCADをMacでも使いたい!という方にもイチオシの無料CADです。

DraftSightのデメリットを一つ挙げるとすれば「ソフトをダウンロードしてからアクティブ化までの手順が多い」ということ。パソコン初心者の方は少し手間どってしまうかもしれませんが、豊富な機能を完全無料で使えるのでインストールしてみる価値は大いにあります。

初心者から開発者まで多くのユーザーに配慮されたDraftSight。AutoCADの作図方法が分かる方であればきっと重宝することでしょう。

「DraftSightも扱えるようになりたいけど、まずはAutoCADの基本操作をマスターしたい!」という方にはこちらがおすすめ。

AutoCADの作図方法を無料を学びながらCADオペレーター目指せるので、これから設計のお仕事に携わってみたい方はぜひご覧くださいね。

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今回は主な機能のみのご紹介でしたが、の魅力はまだまだたくさんあります。一度インストールさえしてしまえば永久無料で使うことができるので、これから始める未経験者の方だけでなく、AutoCAD初心者の方やCAD実務経験者の方たちもぜひ一度トライしてみてがいかがでしょうか。

DraftSightのダウンロードやインストールについては、以下の記事にやり方についての詳しい説明があります。他にもドラフトサイトの使い方やコマンド一覧の他、アクティブ化できない場合や、動きが遅い場合などの対処方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみましょう。

参考記事
DraftSightの使い方|起動&設定方法・コマンドまとめ

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