CADオペレーターの平均年収は?年齢・働き方・エリア別に徹底比較

CADオペレーターの平均年収は?年齢・働き方・エリア別に徹底比較

CADオペレーターといっても働き方はざまざま。同じ「CADオペレーター」という仕事でも、機械と建築では作図する図面の内容や、扱うCADの種類も全く異なります。そして仕事内容だけでなく、勤め先の企業や雇用形態が異なるということは、当然収入も異なってくるはず。また年齢やエリアによっても年収差があるとか。そんなCADオペレーターの仕事は、専門職ゆえ平均賃金の相場が高いイメージがありますが、果たして実際はどうなのでしょうか?

1.年齢別に見たCADオペレーターの平均年収推移

CADオペレーターとして働く人たちを対象とした平均年収.jp の調査によると、平均給料は24万円~32万円平均年収は365万円という結果でした。

そして、この調べによるとCADオペレーターの平均年収の範囲はおよそ300~400万円で、最大年収は約460万円とのこと。

この調査はCADオペレーターだけでなく、CADデザイナーとして働いている人たちも含めた平均年収額ですが、CADオペレーターだけの年収を年齢別に見ると一体どれぐらいの違いがあるのでしょうか。

年齢 平均年収
20代前半 263万円
20代後半 301万円
30代 310万円
40代 313万円
全世代 296.8万円

出典:転職会議

これは現在CADオペレーターとして働く人たちを、年齢ごとに分けて年収を割り出した一覧です。

この調査では、最高年収額が600万円 、最低年収額が150万円という結果でしたが、平均してみるとおよそ300万円であることが分かります。

この統計は、パートやアルバイトとして働く方たちの年収も含んでいるので、全体的に比較的低めに算出されていますが、20代前半から20代後半にかけての平均年収は38万円もアップしていることが特徴です。

特にCADオペレーターのような技術職の場合、新卒として働き始めたばかりの20代前半というのは、未経験として扱われるため多くの報酬は見込めません。

またCADオペレーターの仕事というのは成果主義であることが多いので、この時期にしっかりと技術を身に付けて実績を残していくと、20代後半で大幅な年収アップが期待できます。

しかし30代~40代になると、大幅な年収増加が見込めなくなるのも特徴です。そのため特に男性のCADオペレーターは、20代半ばくらいから設計に携わっていく方や、管理者を目指す方も増加します。

もちろん女性のCADオペレーターも、20代のうちに実績を積み、設計できるスキルまで身に付けておくと、人材としての市場価値も大幅に高まり、30代~40代になってもいつまでも現役で働くことが可能です。

そのため他の職業と比べ、結婚や出産後も職場復帰する方も多く、一定の収入を保ちながらライフスタイルに合わせてさまざまな働き方の選択肢を増やすことができるのもCADオペレーターの魅力です。

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2.正社員CADオペレーターの給料と平均年収

CADオペレーターの仕事は、働き方にさまざまな選択肢があります。

ここからは雇用形態別に分け、さらに詳しくCADオペレーターの平均年収を見ていきましょう。

まず最初は、正社員として働くCADオペレーターの平均年収です。

分野 職種名 20代 30代 40代
建築 製図・CADオペレーター(建設) 339万円 365万円 360万円
機械 CADオペレーター(機械) 333万円 400万円 400万円
平均年収 336万円 382.5万円 380万円
20~40代の平均年収 366.2万円

出典:DODA(デューダ)

こちらはDODA(デューダ)の統計を元に、建築と機械に分野を分けて比較してみました。

この調査によると、正社員CADオペレーターの平均給料は30万5166円平均年収は約367万円という結果でした。

表を見てみると、働き始めたばかりの20代では建築CADオペレーターの年収が、機械CADオペレーターの年収を上回っているのに対し、40代にもなると逆転していることが分かります。

その理由の一つに、機械分野には、設計だけでなく開発という業務があることが挙げられます。開発というのは設計する前の段階の仕事なので、さらに難しい専門知識や3DCADなどの高度な技術が必要です。

そのため、経験豊富な30代の熟練CADオペレーターになると、こういった設計や開発に近い作図をする機会も増えてくることから、仕事内容の難易度がそのまま年収にそのまま反映されているということが分かります。

しかし機械メーカーの企業は、従業員の3/2は工場作業員が占めているため、年収ランキングでは上位にいないのですが、この設計・開発部門となると話は別です。

あの有名なトヨタ自動車を例を挙げると、新卒入社の時は年収350万円であるのに対し、30代半ばで主任クラスに昇格すると年収1000万円を超えるとも言われています。さらに昇格して部長クラスにもなれば、なんと年収は2000万円を超えることも。

また中規模の自動車メーカーであっても、新卒時は年収300万円に対し、同じく30代半ばでリーダークラスの役職になると最低でも年収は600万円以上に。さらに課長クラスになると最低でも800万以上、部長クラスともなると確実に1000万以上の年収となります。

一方、建築分野でも、30代を過ぎるとただ図面が描けるというだけの男性CADオペレーターは昇給を望むことが難しくなります。

先の機械分野と同じく、設計でも20代後半からは、建築士や設計士などの設計職や管理者を目指さない限り、年収アップを見込むことは期待できません。

建築CADの仕事比率は、建物を建設する際の法律を守るために作られる「設計図」作成の仕事が3割、そしてその設計図を元に、実際に建物を建てるために作られる「施工図」作成の仕事が7割と言われています。

そういった理由から、建築業界で30代以降も正社員のCADオペレーターとして、比較的高い報酬で働いていきたいのであれば、内装であればインテリアコーディネーター、建築であれば施工図技術者や建築現場監督の兼任を目指すのも一つの方法です。

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3.派遣CADオペレーターの給料と平均年収

二つ目は、派遣社員のCADオペレーターとして働く場合の平均年収です。

※月収は1日8時間労働×20日で算出
エリア 時給 月給 年収 求人数
北海道 1,156円 18万5440円 約223万円 6件
東北 1,278円 20万4480円 約245万円 19件
甲信越 1,266円 20万2560円 約243万円 6件
関東 1,656円 26万4960円 約318万円 1056件
東海 1,487円 23万7920円 約286万円 115件
関西 1,502円 24万0320円 約288万円 424件
中国四国 1,287円 20万5920円 約247万円 18件
九州沖縄 1,264円 29万2240円 約351万円 43件
全国平均 1,362円 24万0653円 約289万円 211件

出典:派遣メイド

この調査によると、派遣CADオペレーターの平均給料は24万653円平均年収は約289万円という結果でした。

こうしてみると関東エリアの時給が、他エリアを抜いてダントツに高く、また求人数も突出して高い件数であることが分かります。

さらに関東エリアの平均時給を見ると約1600円となっていますが、すべての案件がそうであるわけではありません。

特に機械系の開発が絡むようなCAD CAMオペレーターの場合、都心の案件だと時給3000円・月収51万円以上などという好待遇の求人も中には存在します。

一方、2DのみのCADオペレーターの場合だと、都心でも時給は1400円~1500円程度ですが、3DCADも扱えるCADオペレーターの場合では1800円~2500円と比較的高めに時給が設定されています。

そしてCADオペレーターの場合、派遣先でしっかり仕事をし高い評価を得ると、派遣期間終了後は紹介予定派遣のように、契約社員や正社員として雇用してもらえるケースが多くあります。

こういった理由から、決まった時間で効率よく、そして安定して働きたいという女性たちにとって、派遣CADオペレーターという仕事が不動の人気である理由が頷けます。

また独立したての建築士や設計士が、安定しない収入を補う手段として、大手ゼネコンや大手住宅メーカーのほか、設計会社などで副業の派遣CADオペレーターの仕事をしていることもあるようです。

正社員の場合、大手ゼネコン30代を過ぎると設計に携わらない限り昇給を見込むのが比較的難しくなるのに対し、派遣の場合はスキルと実績さえあれば、年齢制限なくいつまでも現役のCADオペレーターとして長期就業できるのもこの仕事の魅力の一つです。

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4.アルバイトCADオペレーターの給料と平均年収

三つ目は、アルバイトのCADオペレーターとして働く場合の平均年収です。

※月収は1日8時間労働×20日で算出
エリア 時給 月給 年収 求人数
関東 東京都 1,080円 17万2800円 約207万円 106件
神奈川県 1,000円 16万0000円 約190万円 41件
関西 大阪府 1,120円 17万9200円 約215万円 98件
京都府 1,363円 21万8080円 約261万円 25件
東海 愛知県 1,130円 18万0800円 約217万円 54件
静岡県 1,066円 17万0560円 約205万円 23件
九州・沖縄 福岡県 977円 15万6320円 約188万円 20件
全国平均 1,105円 17万6823円 約212万円 52件

出典:タウンワーク(TOWNWORK)

この調査によると、アルバイトCADオペレーターの平均給料は17万6823円平均年収は約212万円という結果でした。

派遣社員同様、求人数は関東がダントツ1位ですが、アルバイトに限っての平均時給は関東より関西の方が高く、京都の1,363円が1位となっています。

このデータは2018年10月4日時点の求人情報を元に算出されているのですが、現在上がっている京都の求人案件には、3DCADの高時給案件が複数件あること、そして求人数が25件しかないため、現時点で突出して平均額が高くなっている可能性はあります。

試しに2D CADオペレーターの求人時給を調べたところ1150円~1400円という結果でしたが、やはり中でも3DCADを扱う案件の1800円が最高時給額でした。

一方、東京都は案件数も106件もあることから、時給にも大きな幅があるのが特徴です。

中でも、一番低い時給額は未経験者OKの案件で950円、最高時給額では3DCADを扱う業務で2400円となっていることから、3DCADオペレーターのアルバイトだけを比較すれば関東の方が時給が高いということになります。

こうして見ると関西は関東よりも比較的平均時給が高めに設定されている印象ですが、時給が低くても未経験者歓迎の案件が多いのは関東でした。

したがって、アルバイトとして一からCADオペレーターの技術を身に付け、経験を積むチャンスに恵まれているのは、断然関東エリアであると言えるでしょう。

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5.在宅CADオペレーターの単価と平均年収

では、在宅CADオペレーターの平均年収は一体どれくらいなのでしょうか?

在宅でCADオペレーターとして働く場合、基本的には図面1枚に対して報酬が発生する、単価制の業務委託契約となります。

委託の契約となると、通勤なく好きな時間に仕事ができる代わりに、出来高によって収入が決まります。

すると毎日決められた時間を月給や時給で働くということではなくなるため、安定した報酬を得るには効率よく作図枚数をこなしていかなくてはなりません。

そして業種によって単価の相場が変わるだけでなく、依頼内容や取引先、またCADオペレーターのスキルによっても報酬の相場が大きく異なります。

最も単価も低いのは、与えられた図面を書き写すだけのトレース業務です。その場合、相当な枚数をこなさない限り、毎月の収入は副業程度にしかなりません。

一方、設計やデザインも請け負うことができる知識や技術を持っていると、図面の単価は一気にアップします。

したがって在宅CADオペレーターは、自分で設計したり提案ができるようになって、はじめて本業として食べていくことも可能となります。

図面単価の設定は、新規の案件の場合、ほとんどのケースが用紙のサイズで決まります。既に出来ている図面の修正を依頼される場合は、用紙サイズごとの基本単価より修正率を%で割り出して支払われます。

単価の相場としては、A3サイズの図面で1枚4,000~5,000円程度(1/100図面の場合)、A1サイズの図面だと12,000~20,000円程度(1/100図面の場合)です。

実際、クラウドソーシングサイト大手のクラウドワークスの調査でも、A3サイズだと5,000円~10,000円程度、A1サイズ1枚10,000円から15,000程度に設定して取引しているところが多いとされています。

そして用紙サイズの他に図面尺度により単価も変わってきます。結論を言えば、用紙サイズが大きいほど、また作図内容が細かくなるほど単価も比例してアップするということです。

例えば建築内装図面の場合、1枚の図面に建物の躯体図と内装プランを提案すると、躯体図作成と内装プランに対してそれぞれ報酬が発生します。

さらに展開図や提案書、住宅の3Dパースやアニメーションなども納品すると、それに伴って図面の枚数や作業代が上乗せされるので1案件で100,000円以上の報酬が発生することも。

とはいえ図面というのは1案件1枚で書き終わるものではありません。1枚の図面に対して修正も繰り返し行われるので、どれくらいの割合を修正したかについて、報酬の交渉が必要な場面も多々出てきます。

それでも一旦得意先を確保したうえで、上手く交渉しながら複数案件を常に受け持つならば、毎月25~30万程度は稼げるということです。

しかし単価の良い案件はあまり市場に出回りません。

そのため在宅CADオペレーターとして働く前に、安定して仕事のある大手建築会社や大手ハウスメーカーだけでなく、大手不動産会社や什器・電気設備メーカー企業など、さまざまな企業と繋がるパイプを作っておくことも一つの方法です。

またキャリアを構築するほかにも、一人でも自分を売り込んでいけるだけのフットワークの軽さも、高い報酬を得るには重要です。

こういった理由から、在宅CADオペレーターの年収は、副業として行うのであれば0円~、設計を含む作図を本業として行うならば正社員CADオペレーターの平均年収を超えることも夢ではありません。

現在、CADオペレーターを目指す女性の多くが将来的に在宅で働くことを望んでいますが、本業としてしっかり稼いでいきたいのであれば、設計やデザインを一人でこなせる設計技術者としてのスキルだけでなく、さらに交渉技術や営業スキルも身に付けておくと心強いでしょう。

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6.まとめ

現実にCADオペレーターとして働く人たちのリアルな年収事例について、統計を元に詳しく見てきましたが、みなさんいかがだったでしょうか?

またCADオペレーターという職業は、現場に合わせて稼働するため年末年始休暇はおろか、土日祝休みでない場合も多く、とにかく残業が多い仕事としても有名です。

そのため基本給が少なくても資格手当や残業代で収入がアップしている人が多いのも現状として否めません。

しかし女性にとっては、一度CADの操作技術さえ身に付けてしまえば、一生仕事に困ることがない仕事と言われているのも事実。

以下の記事の通り、女性がもっと稼げる仕事は他にもたくさんありますが、年齢や環境を問わず、いつの時代も安定した収入を得られるCADオペレーターは、自立した女性を目指す方の転職先としても一考の余地があります。

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そして、何よりライフスタイルに合わせて働き方が選べ、活躍できるCADオペレーターという仕事は、あらゆる世代の女性にとって魅力のある職業であることに間違いありません。

ぜひこの機会に、CADオペレーターの仕事にチャレンジしてみてくださいね!

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