CADオペレーターは辛い仕事?一番大変なことや残業の実態を調査

CADオペレーターは辛い仕事?一番大変なことや残業の実態を調査

CADオペレーターの仕事は「残業が多い専門職」というイメージから、一部では「辛くて大変な仕事」とも言われているようです。また設計に関わる仕事という特性上、未経験から入ると覚えることも盛りだくさんなので、実際に大変なことも多いはずです。CADオペレーターとして必要なスキルを身に付けるまでにはどんな苦労があるのか?そして残業が多いのは本当なのか?将来的な働き方の選択肢も含めてその実態を調べてみました。

1.CADオペレーターの仕事はきついって本当?

CADオペレーターの仕事は、長時間パソコンの画面を見続けたまま細かい作業を毎日行うので、肩こりや眼精疲労だけはどうしても避けられません。

そして目を酷使する作業が毎日、毎週、毎月続き、それが1年中ずっと続くので、疲れが蓄積した結果、ドライアイになったり、視力も低下しがちです。

それだけでなく、長時間のマウス操作により手首を痛めて、腱鞘炎にもなりやすい仕事でもあります。

さらに同じ姿勢でずっと画面を見ているので、気が付いた時にはストレートネックになっていたり、疲れが腰に溜まり慢性腰痛を抱える方や、さらに腰痛が悪化して坐骨神経痛やヘルニアを訴える方も中にはいるほどです。

そのうえ、細かい作業と高い集中力を求められるので、連日の長時間労働が続くと、いつの間にか神経がすり減ってくるということも否めません。

このようにCADオペレーターの仕事は、基本的に座ったままのデスクワークではありますが、見た目以上に肉体にも精神にも負担がかかるため、タフな体力と気力が必要です。

その日の疲れをその日のうちにリセットできれば一番望ましいですが、オフには適度な運動を心がけたり、趣味でストレスを発散するなど、できるだけ日々の疲れをため込まないよう工夫することが大切です。

またパソコンを使った長時間の作図作業には、CADに適したマウスの使用がおすすめです。

自分に合ったマウスを使うことで、作業効率が格段にアップします。さらにはエルゴノミクスデザインという人間工学に基づいて作られたデザインのマウスを使うことにより、体への負担も軽減されることが科学的にも証明されています。

詳しくは以下の記事を参考にしてみましょう。

関連記事
CADに適したマウスとは?種類や特徴、最適な選び方や設定方法

▲目次へ戻る

2.CADオペレーターの仕事で一番大変なことは?

このように、体への負担が避けられないCADオペレーターの仕事ですが、中でも一番大変なのは、常に納期に追われながら繰り返しの修正作業を行うことです。

建築で言えば、図面というのは常に現場の着工に合わせて仕上げていかなくてはなりません。そのため図面には必ず「この日までに必ず仕上げなくてはいけない」という納期が設定されています。

そのため、予め決められた納期に間に合うよう作業配分を調整しながら日々仕事をすすめていくのですが、たとえ順調に進んでいたとしても、途中で予期せぬ変更が発生して、もう一度最初から作り直したり、大きく修正をするということもざらにあります。

それでも、どうしてもその日までに完成できるように仕上げなくてはならないので、遅くまで残業をしたり、場合によっては徹夜をして仕上げることも。その間は睡眠時間があまり取れなくなるだけでなく、食事もおろそかになりがちです。

また納期が近くなってくると、仕事場にも緊張感が走り、設計士やデザイナーたちも時間に追われるためピリピリしがちですが、そういった空気の中でも、不明点はうやむやにせず、質問をしながら確実に作業を行う必要があります。

そのうえ、どんなに自分の体調が整っていない場合でも、納期までには確実に仕上げなくてはいけないので、多少の無理をしながら仕事をしている方も多数います。

このように、途中でどんな変更があろうとも、多少の体調不良があろうとも、常に一定のクオリティを保ちながら正確に図面を作っていかなくてはならないので、CADオペレーターの仕事は単に時間の管理だけでなく、自分自身の体調管理もしっかり行うことが非常に大切です。

▲目次へ戻る

3.CADオペレーターの下積みバイトは苦労するの?

また、未経験者から入ったCADオペレーターは、薄給での下積みも避けられません。

一人で設計できるようになる実力が身に付くまでは、まずは設計士の上司や先輩デザイナーに付いて、補助業務を行うことから入ります。

社内では単に図面を描くだけではありません。保管図面やカタログ資料などの書類を整理しながら、過去の図面を見て描き方を学んだり、電話対応をしながら取引先やほかの支店や営業部などの方たちの名前を憶えていく必要もあります。

他には各種届出のための資料作成や、空いた時間には現場写真や部材写真のデータ整理を行うこともあります。

また受け持つ業務内容によっては、内勤だけでなく、実際に設計が行なわれている現場に行ったり、会社によっては現場監督と一緒にしばらく同行し、施工の様子を見て学ぶ場合もあります。

たとえば建築の場合、実際の施工現場に行くと、たくさんの建築用語だけでなく、材料や工法の専門用語が飛び交っています。そのため実際の現場に行って体験することで、より正確な図面の描き方を学ぶことができます。

そして建築現場であれば「現場事務所」という簡易的な仮設プレハブのような建物が必ず現地に設置され、その中でCADの作業を行うこともあります。そして繁忙期ともなると、女性であってもそこに寝泊まりすることも当然のようにあります。

現場には、普段のオフィスワークでは決して出会うことのない大工さんや職人さんだけでなく、さまざまな業者の方もたくさんいます。

そういった環境の中にいると、職人さんや大工さんたちとも仲良くなるので、仕事を見せて貰えるようになればチャンスです。後を付いて回り、実際の図面の収まり方などを見ながら、どの作業にどんな部材が必要か?そしてどのような手配をする必要があるのか?なども体感で覚えることができます。

そうしていくうちに、どんな図面を描けば見やすいのか?そして他の業種の方たちとどんな打ち合わせをする必要があるのか?などが身に付きますが、これらはすぐに体得できるような内容ではありません。

将来的に設計やデザイナーを目指す場合、最低限の知識が身に付くのに3年はかかるとも言われていますが、業種や会社の規模によっては下積み期間が1~2年程度の場合もあります。

この間は、ひたすら長い労働時間にもかかわらず、お給料も低いので、勉強させてもらうという姿勢で経験を積むしかありませんが、この間に知識や技術を身に付けながら、さまざまな業種の方たちとのつながりを大切にしながら丁寧で正確な図面を描いていると、後に指名で仕事が来るようになることもあります。

それ以外では、内勤CADオペレーターとして、図面の作成や付随する事務作業のみに対応する派遣やアルバイトの仕事もあります。

そういった場合は、下積みのような期間は特にないので、現場に出る必要も薄給かつ長時間拘束などの条件下で我慢する必要もありません。

しかし迅速に綺麗な図面は描けたとしても、実際の現場については知らないため、将来的にCADオペレーターから設計へのキャリアを積んでいくことは少々難しいかもしれません。

でも逆に言えば「設計までは今のところ考えていないが、CADオペレーターとして図面を描く仕事がしてみたい」という方であれば、まずは派遣社員として、未経験者歓迎の求人を探すのもおすすめです。

一方、設計士やデザイナーを目指す方にとっては、最初の下積み時代は将来への貯金です。渦中にいるときは大変でも、後からその苦労は必ず報われます。

それゆえ、どの分野であっても、未経験者の若手に対して、できるだけさまざまな経験を積ませてもらえる会社を最初に選んでおくとよいでしょう。

▲目次へ戻る

4.CADオペレーターの残業は月どれくらいあるの?

CADオペレーターの残業時間は忙しい時と、暇な時の差がとても激しいと言われています。

繁忙期と呼ばれる、一年のうちで一番忙しい時期は、複数の案件を同時に抱えながら作業をすすめることもあるため、その期間休日出勤や残業はやむを得ません。

en派遣の調べによると、派遣社員の場合、1日の勤務時間は平均7.6時間平均残業時間は1日75分という結果から、月の残業時間は平均約25時間程度ということになります。

では正社員の場合はどうでしょうか。

 単位:時間
分野 業界名 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 ピークとの差
建築 建築・土木・設備 77 84 63 58 55 -29
住宅設備・建材・エクステリア 57 52 50 48 41 -16
不動産関連・住宅 61 56 53 47 41 -20
機械 機械関連 35 42 43 38 35 -8
半導体・電子・精密機器 35 38 36 34 31 -7
自動車・自動車部品・輸送機器 28 33 34 32 31 -6

出典:働きがい研究所by VORKERS

これは建築と機械の業界別月間平均残業時間の推移です。この調査によると、月間平均残業時間は2015年から大幅に減少していることが分かります。

2013年には自民党が「ブラック企業」の公表を提言し、各社の厳しい労働環境の実態が世の中に知れ渡りました。

以降、政府は働き方改革を施策しはじめ、2015年には長時間労働が疑われる企業に対して、より厳しく監督指導が実施されるようになりました。その結果、このグラフからも見て取れるように、2015年以降に残業時間がピークを越えることはなくなったと言われています。

そして今年2018年6月、長時間労働の削減や違法残業の抑止を目的とした「働き方改革関連法案」が成立しました。

このグラフを見ても分かる通り、特に建築業界は、慢性的な長時間労働だけでなく、年間休日の少なさなども以前より問題視されていましたが、この法律により以下の見直しが行われることとなりました。

    <残業規制の見直しポイント>
  • 原則月45時間かつ年360時間
  • 臨時的に特別な事情があり、かつ双方の合意がある場合、年720時間(=月平均60時間)
  • 年720時間以内を前提に、複数月の平均が月80時間(休日労働含む)以内、単月なら月100時間未満(休日労働含む)

適用開始は、一般的な大企業は2019年4月から、中小企業は2020年4月からとされていますが、建設業については5年間の猶予期間が設けられています。

そのため実際には2024年4月から企業の規模を問わずこの法律が適用されることになるので、今後残業時間が今以上に増える確率は非常に低いと考えられます。

それでも、これまで男性中心の社会で成長してきた建築業界は、まだまだ正社員の女性CADオペレーターが働きやすい環境とは言えません。

今後は、若い女性にとっても馴染みやすく風通しのよい環境を作るだけでなく、男性にとっても従来の縦社会を元とした過酷な労働環境を見直し、現代社会に見合った柔軟な働き方に対応するなど、業界全体で新しい時代に向けた環境の見直しをしていく必要がありそうです。

▲目次へ戻る

5.女性なら楽にできる!CADオペのいろいろな働き方

出典:en派遣

こちらは派遣社員の内勤CADオペレーターとして働く女性の1日のスケジュール例です。

正社員の場合は、これよりさらに多くのタスクが追加されますが、こうして見ると時間と業務を限定した派遣CADオペレーターとして働けば、さほどハードワークではないことがわかります。

繁忙期は正社員のCADオペレーター同様、残業に対応しなくてはならない日が出てきますが、それでも図面が完成するまで帰宅できないなどということは決してありません。

またそれ以外の期間は、基本的には土日祝日はしっかり休むことはでき、残業も1日1時間程度なので仕事に慣れてしまえばとても楽に働くことができます。

一般的な派遣CADオペレーターに求められる業務内容は、主に以下の通りです。

・図面出力 ・図面修正 ・見積書作成
・設計者への確認 ・図面のトレース ・進捗管理
・図面作成(平面図) ・図面内ナンバリング ・会議用資料作成
・図面作成(組立図) ・整合性チェック ・報告書作成
・図面作成(詳細図) ・打ち合わせ ・申請書類作成
・図面作成(部品図) ・積算業務 ・電話対応
・図面作成(構造図) ・設計補助 ・付随する事務作業
出典:en派遣

これらの業務すべてを行うという訳ではなく、求人案件によってこの中のいずれかの業務をいくつか担当することになります。また派遣という特性上、業務内容も予め契約で定められているので、決められた仕事以外のことは特に求められません。

さらに平均時給も1629円と比較的高めなので、決められた時間の中で効率的に稼ぐこともでき、アフターファイブも余暇の時間を十分に楽しむことができます。

そして最近では、フルタイムの仕事だけでなく「1日5時間~×週3日OK」や「ブランクOK」など主婦の方でも働きやすい条件の求人情報が増えてきています。

なによりCADオペレーターという仕事は一度技術を身に付けてしまえば、年齢関係なくずっと現役で働くことができるのが女性にとっての最大の魅力です。そのため結婚出産を終えた後も、仕事復帰がしやすい職業であることには間違いありません。

また、下積みから始め、設計士やデザイナーとして経験を積みながら活躍した後に、結婚出産などで仕事を中断した場合、その後は在宅で設計士兼CADオペレーターとして働くことも可能です。

もちろん正社員の場合も同じです。経験や実力が重要視される業界なので、休職前に大きなプロジェクトに貢献するなど、十分な実績を残しておけば、復職後もこれまでと同じように仕事がしやすい環境でもあります。

ただし、正社員として独身時代と同じように働くとなると、子育てや家事との両立はほぼ不可能となるので、パートナーや家族の協力が必須です。

そのため、CADオペレーターとしての実務経験がある女性たちは、結婚出産後は在宅勤務や派遣社員として、時間に融通が利く働き方を選択しながら、時間を有効活用したライフスタイルを送る方が多い傾向にあります。

▲目次へ戻る

6.まとめ

CADオペレーターの仕事は、このように大変なこともたくさんありますが、それでも「図面を描く」という作業はとてもやりがいのある仕事です。

短い納期で仕上げなくてはならない時などは、誰もが一度は辞めたくなるような事もあるかもしれませんが、それ以上に一つのプロジェクトが終わった時の達成感は格別です。

それに自分の関わった図面が実際に製品化されたり、建築物となって完成したのを見たときは、きっと感動するに違いありません。

CADオペレーターは、CADの操作を覚えることはもちろん、それ以外にも作図する分野の専門知識をある程度身に付ける必要があるので、最初のうちは大変ですが、どんな仕事でも一人前になるまで苦労は付き物です。

さらに一度知識や技術を身に付けてしまえば、女性でも年齢問わず一生食べていけるので、この仕事が少しでも気になった方は以下の関連記事を参考にしてみるとよいでしょう。

近年、日本では健康寿命が延び「人生100年」が当たり前となり、自立した働き方や生き方を選ぶ女性が増え始めています。

キャリアも自ら築くことが求められるこれからの時代、やりがいを持ちながら長く働ける「CADオペレーター」を、今後の仕事の選択肢にしてみてはいかがでしょうか。

関連記事
CADオペレーターってどんな仕事?設計士との違いや目指し方を解説
CADオペレーターに向いてる人とは?適正条件と望ましいスキル10個
CADオペレーターの平均年収は?年齢・働き方・エリア別に徹底比較
CAD初心者必読!目指せる仕事や資格は?無償CADや学び方など

▲目次へ戻る