CADオペレーターに向いてる人とは?適正条件と望ましいスキル10個

CADオペレーターに向いてる人とは?適正条件と望ましいスキル10個

未経験からCADオペレーターを目指す方であれば「自分にCADオペレーターとしての適性があるのだろうか?」と誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか?そしてCADオペは理系出身でないとできないと思っている方が多いとも聞きます。またCADオペレーターの仕事は、近年ADHDやアスペルガー症候群と呼ばれる方たちにも注目されていますが、具体的にはどういう適性を持つ方に向いている職業なのでしょうか。

1.CADオペレーターの適性条件とは?

CADオペレーターは、CADソフトを使って設計士やデザイナーの補助業務を行うことが主な仕事です。

したがってCADオペレーターは、与えられた指示通りに、正確かつスピーディーに図面を仕上げる必要があるので、CADソフトの基本操作を熟知していることが最低限の必須条件となります。

では、CADオペレーターは具体的にはどんな人にとって適性があるのでしょうか。

  • 集中力が高い、あるいは集中することが好き
  • CADオペレーターは、設計士やデザイナーの指示のもとに作図を行うとは言え、作図する内容は「もの」を作るための設計図であることには変わりありません。ゆえに少しの作図ミスが、後に大きな設計ミスの原因となる可能性も出てくるため、ある程度緊張感をもった作業スキルが必要とされます。そのため、細心の注意を払いながら、高い集中力を持って仕事に向きあう姿勢が不可欠です。

  • 細かい作業が苦でない、または好きである
  • ものを作るための設計図というのは、CADを使いながらたくさんの図形や線を組み合わせて作図されます。例えば壁を1枚描くにしても、ただ2本の線を引けばよいという訳ではなく、壁の部材や骨組みなど、構造を示す線を何本も描いて表す必要があります。このように非常に細かな作業を連続して行うため、緻密な作業を苦と思わずにできることも重要です。

  • 一つのことに黙々と打ち込むことができる
  • CADオペレーターは、設計士やデザイナーから指示をもらって作業するため、作図前に正確な図面を作るための打ち合わせを行います。そして全ての作図内容や工程を把握したうえで仕事を始めるのですが、休憩時間は別として、基本的に雑談をしながら仕事をすることはほとんどありません。そのため、仕事中に周囲の様子が気になり、自分のやるべき仕事を優先して打ち込めない方はあまり向いていないと言えます。どちらかと言えば、どんな環境であっても物事に集中できるマイペースな方のほうがCADオペレーターに向いているかもしれません。

  • 地道にこつこつと根気よく続けることができる
  • CADオペレーターの仕事というのは、非常に地道な作業です。仕事内容が、基本的に設計の補助業務ということもあり、作業内容はとても地味なものです。完成する「もの」自体は華やかで人目を引くようなデザインであっても、その工程に携わるCADオペレーターには華やかさや派手さはありません。そのため、完成物が出来上がるまで、図面を繰り返し修正しながら、裏方に徹して、地道にこつこつと積み上げていく根気が必要です。

  • パソコンを使った長時間のデスクワークに抵抗がない
  • CADオペレーターの仕事は、8時間以上座ったまま作業をし続けるということもざらにあります。もちろんその間に休憩は挟みますが、基本的には出勤時から退勤時まで1日中ほぼ座りっぱなしです。そしてその業務を1週間、1か月間、毎月連続して行うことになるため、長時間の座り作業が苦手であるという方にとっては、苦痛な仕事であることには間違いありません。また基本的にパソコンを使うデスクワークなので、パソコンに対して苦手意識があるという方にとってもあまり向いていないと言えるでしょう。

  • ものづくりに興味がある、または好きである
  • CADオペレーターの仕事は、どんな分野であれ「ものづくり」に関わります。もちろん、単純に「CADの操作が好きである」ということも適性条件の一つに挙げられますが、その先にある設計やデザインに対し興味があるか、ということも重要です。その分野の設計やデザインに興味があり、さらに好きであれば、自ずと向上心も湧いてくるものです。そうするとCADオペレーターとして経験を積んだ後、将来的に設計者やデザイナーとしてキャリアアップへの道へ繋がりやすくなります。

ここでご紹介した、6つの条件すべてに当てはまらなければCADオペレーターになれないという訳では決してありません。

これらは仕事内容の特性から見た適性ですので、あくまで目安と考えて参考にしてみてください。

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2.CADオペレーターの仕事は文系でもできる?

一般的な大学では、建築設計を学ぶ建築学部や理工学部も、機械設計を学ぶ工学部もどちらも理系の学部として分類されています。

そしてCADソフトも、文理どちらかのカテゴリに分けるなら、しいて言えば理系のソフトです。

中でも人気のあるAutoCAD(オートキャド)は、数学の関数にでてくる「座標軸」と呼ばれるXとYの規準直線が画面いっぱいに表示されています。

そして、その座標軸の0(ゼロ)の位置を基点とし、座標値を指定しながら図形を配置して作図を進めるので、どうしても理系のソフトという印象になりがちです。

そのため文系の方や、数学が苦手な女性にとっては「CADオペレーターの仕事って難しいのでは?」と思われがちですが、実は文系出身のCADオペレーターさんがたくさんいらっしゃいます。

実際、CADソフトを操作するうえでは、図形を回転させる時には角度を計算したり、図形を移動させるにも数値で入力していきますが、作図ルールに慣れさえすれば、特に理系の知識がなくとも、誰でも簡単に扱うことができます。

しかし設計ともなると、機械図面であれば、数式を使った計算や物理学等の理系知識も必要ですが、その設計図を第三者に分かりやすくに伝えるには文系のスキルも必要です。

また建築設計であれば構造力学などの計算も必要ですが、そもそも建築学には理系と文系の両方の要素が含まれます。

それに建築分野に限って言えば、大手ゼネコンなどの設計部には理系出身者が多いですが、大手デベロッパーではほとんどが文系出身者であると言われています。

そればかりでなく、アトリエ事務所などでは、美大出身の方も多く活躍しているので、設計やデザインの分野というのは、文理どちらかに属していなくてはいけないということは決してありません。

そしてCADオペレーターにとって一番大切なのは、設計士やデザイナーの意図を正確にくみ取り、見やすさや分かりやすさに配慮しながら作図することです。

こうした側面から見ると、文系の方にとって非常に適性がある仕事とも言えるので、実際には文系出身の女性CADオペレーターが多く活躍しているという理由も頷けます。

ゆえに、CADオペレーターの仕事は文理どちらであっても、またそのどちらでもなくとも、設計やものづくりの分野に対して興味がありさえすれば、どなたでも目指すことは可能です。

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3.CADオペはADHDやアスペルガーに向いてるって本当?

突然ですが、みなさんは「ADHD」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ADHDとは、不注意や多動と呼ばれる行動が目立つ特徴があり、一般的に神経発達症群とも呼ばれています。最近、フリーアナウンサーの小島慶子さんが自らをADHDであると公表したことから、大人のADHDという表現が有名にもなりました。

一方「アスペルガー症候群」とは、人と会話をすることが苦手であったり、興味のある対象がごく狭い範囲に限られていたりする特徴が見られ、こちらも大人になってから発見されるケースが多いとも言われています。

こういった方たちは、持って生まれた特性があることにより、興味のない分野の仕事に集中しにくかったり、集団の対人関係の中で極度の違和感を抱えてしまうなど、社会生活においてさまざまな生きづらさを感じながら日常を送っています。

またその強い個性のため、一般的にはハンディキャップがあると判断されてしまいがちですが、こうした特性は、稀にみる天才や芸術家、才能あふれる芸能人にも多く見られます。

海外ではアインシュタイン、スティーブ・ジョブズやビル・ゲイツ、またゴッホやピカソだけでなく、トム・クルーズやウィル・スミスもそうであると言われています。

一方、日本でも黒柳徹子さんや勝間和代さん、栗原類さんなどが有名で、まさに天から授かった素晴らしいギフトの持ち主たちばかりが名を連ねています。

しかしながら、このように独特な個性を持つ方たちは社会一般の「空気を読む」必要がある仕事や、「リーダーシップ」を発揮しなくてはいけない仕事など、何でもマルチタスクでこなせることが求められる事務職や営業職などにおいては、特性や良い面を存分に活かして社会活動を行うことが難しいとされる傾向にあるようです。

こうした中で、ADHDやアスペルガー症候群と呼ばれる方たちがストレスなくできる仕事の一つとして、近年CADオペレーターが注目されています。

このような特性のある方たちに向いていると言われる仕事の特徴は次の通りです。

    <ADHDに向いている仕事>
  • 自分の興味のある分野について追及できる仕事
  • 専門的であったりマニアックな知識が活かせる仕事
  • 独特の感性を活かせる仕事

    <アスペルガー症候群に向いている仕事>
  • 主にものを作る作業に集中でき、視覚的な才能も求められる仕事
  • 業務のルールが明確で、マニュアルが用意されている仕事
  • 論理的思考力と専門知識を活かし、根気を必要とする仕事

こうして見ると、事務や来客対応などの付帯業務を伴わないことが大前提ではありますが、CADオペレーターの仕事だけに専念できる職場であれば、思う存分個性を発揮して活躍できる可能性は大いにあります。

他にも、グラフィックデザイナーやWEBデザイナーなどの感性を活かせる仕事も適していると言われていますが、人間だれしも得意不得意はあるものです。

それどころか苦手な分野がわかっているということは、裏を返せば得意な分野が明確であると言うことでもあります。

そのため、一般的な職場で居心地の悪さや生きづらさを感じている方は、まずは自分にとって「何が得意で、何が不得意であるか」という整理から始めてみるとよいでしょう。

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4.CADオペレーターにあると望ましいスキルとは?

CADオペレーターの仕事は、図面を正確に作図することはもちろん、そのうえで、設計士やデザイナーの意図する指示を正確に汲み取らなくてはなりません。

では、CADオペレーターにとって、あったほうが望ましいスキルとは、どういったものがあるのでしょうか。

  • 丁寧かつ正確に効率よく作業をすすめることができる
  • 図面というものは、似たような内容を何十枚にもわたって描く場合もあります。それゆえ、同じような作業が続いても、高い集中力をもって作業に挑むだけでなく、すべて同じクオリティの品質で丁寧な作図ができなくてはなりません。そしてCADオペレーターは、迅速に正確な作業ができる人が最も優遇される仕事です。どの現場でも重宝されるCADオペレーターを目指すのであれば、正確かつスピーディーな作業を常に保てるよう、仕事の効率も配慮できるようになることが重要です。

  • わからないことを自発的に質問することができる
  • CADオペレーターはCADの操作は分かっても、技術的な内容や設計方法については全て把握しているわけではありません。そのため、どんな小さな不明点であっても指揮命令者に確認をしなければ、設計士の意図に沿った正確な図面を描くことはできません。この時、確認をせず自己判断で図面を描いてしまうと、設計士だけでなく、実際の建設や製造にかかわる現場の方にも迷惑がかかります。よってどんな小さなことでもうやむやにせず、気付いたことをその都度相談・報告することが必要です。

  • 相手の意図を正確に把握し配慮できる
  • CADオペレーターの仕事は、設計士やデザイナーから指示をもらって作業するため、作図に入る前に必ず打ち合わせを行います。その際に必要なのは、指示者から伝えられる内容をしっかりと聞き取り、相手が何を求めているか、そして自分にどんな作業を求められているかを把握することです。したがって、わからない箇所を事前に聞くことはもちろんのこと、指示内容以外でも自分で気が付いた点を確認するなどの配慮ができるようになると、CADオペレーターとしての価値がさらに高まるでしょう。

  • 計画性があり時間管理が得意である
  • 図面には必ず「この日までには完成させなくてはいけない」という期日があります。そして1枚の図面だけを描いていればいいという訳ではなく、平行して同時に複数の案件の図面掛け持つ場合もあるので、計画性をもって作業を進めなくてはなりません。そのためには仕事の内容に優先順位をつけながら、期日までの作業配分を考える必要があります。それには自分がどれくらいのスキルを持つかを的確に把握し、計画性をもって時間を管理をしながら仕事をすすめていけるとベストと言えます。

CADオペレーターを目指すすべての人にとって、適性同様、これら4つのスキルが必須であるという訳ではありません。

しかし、こうしたことも日常的に意識しながら仕事をすると、より効率よくスキルもキャリアも磨いていくことができるでしょう。

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5.まとめ

どんな仕事にも向き不向きはありますが、一番大事なのは、何よりも本人のやる気です。ですので「CADオペレーターになりたい」と思ったら、とりあえず今できることから行動してみることも大切です。

まずは無料のCADアプリやCADソフトを触ってみたり、無料のチュートリアル動画を視聴してみてもよいでしょう。「基礎からしっかりCADを学んでみたい」と思われた方には、無料で学べるCADスクールもおすすめ。

業界トップシェアのCADソフト「AutoCAD(オートキャド)」の基本操作を、ゼロからしっかりマスターすることができます。未経験の方にも分かりやすくレクチャー。さらには専門家による就職支援までサポート体制が整っているので、未経験からCADオペレーターになることも夢ではありません。

→ 無料の就職支援CADスクール「lulucad」

CADの技術を一度身に付ければ「ものづくり」のさまざまな分野で活躍することが可能になります。センスやアイデア次第で仕事の選択肢も広がるので、ぜひトライしてみてくださいね。

以下の関連記事も参考にして、CADやCADオペレーターについてもっと知識を深めてみましょう。

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