電気CADとは?|図面種類・ソフト・資格・求人事情を簡単解説

電気CADとは?|図面種類・ソフト・資格・求人事情を簡単解説

CADとは簡単に説明すると「パソコンで製図または設計することができるソフトウェアの総称」です。CADは様々な種類があり、特徴や専門分野が異なります。今回は電気CADについて、CADソフトの種類や資格検定など初心者の方やスキルアップを目指している方、転職を希望されている方にわかりやすく解説します。

1.電気CADとは?

CADとは「キャド」と呼び、パソコンを使用し設計や製図ができるソフトで設計支援システムのことです。CADには建築CADや機械CADなど様々な種類があります。今回はその中の電気CADを解説します。
電気CADとは、電気設計をサポートする機能に優れており効率よく設計および図面を作成できるCADのことです。 例えば制御盤や配電盤などの電気専用パーツをクリックするだけで簡単に図面に機器(オブジェクト)の配置をすることができます。

【参考記事】
建築CADとは?|図面種類・ソフト・資格・求人事情を簡単解説
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1-1.電気設備関係図の種類

電気設備図で作成する図面は工事内容により異なりますが、代表的な図面の種類を抜粋し解説します。

外形図 制御盤、操作盤、中継ボックスの外形や盤内の配置図、銘板図を記した図面
単線結線図 動力回路を記した図面
展開接続図 詳細な電気回路で、配線を記した図面
端子図 端子のならびを記した図面
部品図 使用する部品を記した図面
板金図 外形図から加工するために必要な寸法や詳細を記した図面
ケーブル図 展開接続図を元に機械装置配線を記した図面

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2.電気CADソフトの種類

電気CADは、建築CADソフト同様の機能が望まれます。なかでも日本企業でトップシェアを誇っている汎用CADソフトのAutoCAD(オートキャド)を採用している企業は多いです。
ゼネコンや大手企業は汎用型CADソフトのAutoCADやCADWe’ll Tfas、中小企業や学生はフリーCADソフトのJw_cadやDraftSightを採用していることが多いです。
今回は、この4つのCADソフトの特徴を簡単に解説します。

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2-1.AutoCAD

AutoCAD(オートキャド)とは、AUTODESK(オートデスク)社が開発する2次元(2D)と3次元(3D)の図面が作成できる汎用型CADソフトウェアで、日本だけでなく世界でトップシェアを誇っています。日本企業では、ゼネコン・建設業・自動車業界など様々な分野で採用されています。
特徴は、コマンドの実行方法が多数あり初心者や熟練者など自身に合った操作方法で行うことができます。またコマンドもカスタマイズが可能です。無償体験版が期間限定(学生は3年間)で使用できます。

【参考記事】
AutoCADとは/AutoCADの使い方から、無料体験版・学生ライセンスなど徹底解説

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2-2.Jw_cad

Jw_cad(ジェイダブリューキャド)は、フリーCADソフトで2次元の図面を作成できます。 建築士が開発に携わっているため建築汎用型CADとも言われてますが、電気CADや土木CADとしても使用されています。
特徴は他のCADとは違いマウス操作のみで様々な操作が可能である点です。また線種や線幅、線色など自身でカスタマイズでき共有することができます。

【参考記事】
Jw_cadとは/無料CADソフトJw_cadとAutoCADの違いなど徹底解説

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2-3.DraftSight

DraftSight(ドラフトサイト)は、ダッソー・システムズ社が開発するフリーCADソフトで2次元図面が作成できます。
特徴は、無償でありながらCAD市場トップシェアを誇っているAutoCADの2次元機能のコマンド操作や画面などが非常に似ている点です。AutoCADの2次元操作ができるならDraftSightも使用できると思います。逆も同じです。

【参考記事】
DraftSightとは?ソフトの種類から基本操作まで徹底解説

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2-4.CADWe’ll Tfas

CADWe’ll Tfas(キャドウェル ティーファス)は、(株)ダイテックが開発する設備に特化した建築設備統合CADです。
特徴は、建築設備の電気や機械(空調・衛生)の専用機能があり簡単に作図できる点と3次元表示をすることができます。

引用元:(株)ダイテック

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3.電気CADの資格検定

電気CADの資格検定は、電気CAD資格認定事務局主催の「電気CADオペレーター・電気CADエキスパート・電気CADインストラクター」資格試験と日本インストラクター協会主催の「機械・設備・電気CADインストラクター」資格試験があります。2つとも民間資格です。これらの検定について解説します。
※電気CADの資格ではありませんが、設備業界で評価されている資格「2次元CAD利用技術者試験」もあります。

【参考記事】
CAD利用技術者試験とはどんな試験? 試験概要から合格率までまとめました

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3-1.機械・設備・電気CADインストラクター資格

日本インストラクター協会が主催する民間資格で、機械・設備・電気CADにおける空調設備設計・給排水衛生設備設計・電気設備設計・プラント設備設計などの知識とCADシステム(AutoCADまたはJWCAD)を理解し操作が実務レベルであると認定されます。
資格取得後は、CADオペレーターや講師として活動ができます。
この試験は在宅受験ですので、試験会場に足を運ばずに試験を受けることができます。

受験資格 知識があればどなたでも受験可能(特に制限はありません)
受験申込から受験方法 日本インストラクター協会のホームページからの申込をします。
日本インストラクター協会受験申込みページにアクセスします。
②受験希望試験にチェックを入れた後、受験者情報の入力をします。※受験票など郵送されますので、住所など間違いのないように入力してください。
③日本インストラクター協会より受験票・試験問題・解答用紙・返信用封筒が送付されます。※受験料の代金引換で届きますので、受験料を用意しておいてください。
④設定された試験期間内で自身の都合の良い日に在宅受験を行います。
⑤解答用紙を日本インストラクター協会へ返送します。
⑥日本インストラクター協会より、合否通知が発送されます。
受験料 10,000円(消費税込み)
合格基準 70%以上の評価

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3-2.電気CADオペレーター・電気CADエキスパート・電気CADインストラクター資格

電気CAD資格認定事務局(JECOA)が主催する民間資格試験で、電気設計(制御盤設計)に携わる人に対しての電気CADに対する習得レベルを 3段階で評価・認定されます。機械メーカー、制御盤設計・製造メーカー、工場の生産技術・保全や制御盤の設計・メンテナンスに関わる業種などの企業に評価されている資格です。

レベル 電気CADオペレーター 電気CADエキスパート 電気CADインストラクター
受験資格 制限なし 制限なし 電気CADエキスパート有資格者
受験科目 実技試験 実技試験と筆記試験 講習受講後、実技試験と筆記試験(講習は2日間)
受験料(税込) 社会人5,400円
学生2,700円
社会人8,640円
学生4,320円
216,000円
講習受講料と試験料込
評価内容 回路図などを正確にトレースできるか、電気専用コマンドなどを使用し後の編集が容易な図面を作成できるかを評価 電気CADの基本知識、シンボルやフォーマットなどの作成、電気CADの自動機能が利用可能な図面を作成できるかを評価 電気CADを熟知し、教育セミナー等で講師を務めることができるレベルであるかを評価
資格認定証の有効期限 発効日より5年間
更新料 2,160円(税込)
発効日より5年間
更新料 3,456円(税込)
発効日より5年間
更新料 21,600円(税込)
受験申込から受験方法 電気CAD資格認定事務局(JECOA)ホームページにアクセスします。
②各申込書をダウンロードおよび印刷します。
③必要事項等を記入し、電気CAD資格認定事務局へ郵送します。
④電気CAD資格認定事務局よりEメールで受験日の連絡がきます。
⑤受験料を指定の口座へ振り込みます。
⑥受験料の確認後、電気CAD資格認定事務局から受験票が届きます。
⑦試験当日、試験会場(愛知県日進市竹の山1-512 進和電機(株)または出張試験(別途追加料金))にて受験します。※受験票(学生の方は学生証も)忘れないでください。
⑧試験後1週間~2週間に合否の連絡が届きます。合格時は「認定証明書」も届きます。

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4.電気CADオペレーターの仕事とは

電気CADオペレーターとは、設計士の指示によりCADを操作し電気図面を作成することが主な業務で、誰が見てもわかる図面を作成することが重要となります。大手企業では、設備設計は電気と機械(衛生・空調)に分かれていることがほとんどですが、CADオペレーターは電気と機械を兼任することが多いです。設計業務と兼務、事務業務と兼務など多様なニーズに応えることができると仕事の幅が広がりスキルアップが可能だと思います。

大手企業では複数のCADソフトを所有していることが多く、それらの対応が要求されることがあります。すべてを習得する必要はなく、自身が得意とするCADソフトを習得した上で他のソフトとの連携(変換)の方法を学べばよいと思います。もちろんスキルアップで複数のCADソフトをマスターすることはCADオペレーターとして成長できますし、設計士や企業から高い評価を得られると思いますので、可能な方はチャレンジしてみてください。

【参考記事】
CAD オペレーターとは/ 仕事内容・資格取得・給与や年収について

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4-1.電気CADオペレーターになるには

電気CADオペレーターは、CADを使用して電気図を作成する仕事ですのでCAD操作は必須となります。また電気の配線などは建築図に描きますので、電気図のみならず建築図の内容も理解できることも重要になります。電気シンボルマーク(図記号)やケーブルの種類を覚える必要もありますので、一通りの電気図をいくつか描く練習してみてはいかがでしょうか。集合住宅や商業施設、病院、学校など様々な種類の図面を描くと、少し図面が読めるようになると思います。

シンボルマークとケーブルの種類の一部

シンボル 壁付コンセント 壁などに取付けられてる(埋め込まれている)コンセント
2口コンセント コンセントプラグが2つあるコンセント
3口コンセント コンセントプラグが3つあるコンセント
ケーブル 露出配線 天井裏や床下などに隠れていない露出した配線
床隠ぺい配線 床下に隠れている配線
天井隠ぺい配線 天井裏に隠れている配線

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独学で学ぶ

ご自身でパソコンを所有していてインターネット環境が整っているのであれば、フリーCADソフトをダウンロードとインストールをすれば勉強することが出来ます。ソフトによってはレベルや目的別など様々なテキストが販売されていますので、購入し独学で学ぶのも良いと思います。

【メリット】
  • フリーソフト使用により初期費用が少ない
  • 自分の都合に合わせて好きな時間に学べる

【デメリット】
  • 指導者がいないため不明点があった場合解決するのに時間が掛かる
  • 間違いに気付きにくい
  • 一人なのでモチベーションを維持できず挫折しやすい

【参考記事】
インタビュー「独学でAutoCADを習得し2ヶ月後にはCADオペレーターに」

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スクールで学ぶ

ご自身でパソコンを所有していない場合は、まずスクールに通いCADとはどんなものなのかを理解した上で購入することをおすすめします。CAD操作だけでなく、電気分野の図面の描き方やシンボルなどを学ぶことが出来ます。

【メリット】
  • 専門の指導者がいるので短期間で効率よく学ぶことが出来る
  • 資格取得など目的や目標に有利な情報がもらえる
  • 勉強材料の種類が豊富にあることも多く、様々な分野のソフトや図面が勉強できることもある

【デメリット】
  • スクールに通う時間を確保しなければならない
  • スクール費用が掛かる
  • コース内容が入校してみないと自分に合っているかが判断できない

【参考記事】
・CADスクールには指導者がいるため当然費用が発生しますが、卒業後の就業支援制度が整っているスクールがあります。学習、就職支援の費用が無料で提供されていることもあります。
 無料の就職支援CAD講座「lulucadカレッジ」

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4-2.正社員と派遣社員の求人や収入は?

現在、再開発事業や2020年の東京オリンピックに向けて建築工事および設備工事が多く行われています。同時に電気CADオペレーターの求人は増加傾向にあります。そこで、電気CADオペレーターの求人応募条件や収入などの求人事情を独自で調査してみました。また電気CAD未経験での正社員と派遣社員の雇用内容比較も合わせて解説します。

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正社員の求人と収入

電気CADオペレーターで正社員として働くには、新卒者と中途採用者では求められるスキルが異なる場合が多いです。 新卒者に関しては、CADスキルより設計知識を求める傾向があります。それは、CADオペレーターというよりCADが使用出来る設計士の人材を求めていることが多いからだと考えられます。
中途採用者に関しては、電気CADの実務経験を問われ即戦力を求められる傾向があります。また、未経験者の求人は年齢や学歴などの条件が厳しく派遣社員に比べると少ないようです。しかし最近では、東京オリンピックに向けて行われている工事(工期が遅らせることが出来ない)大規模工事が多くあります。そのため「未経験者歓迎」の企業が増えてきています。

【初年度平均年収】未経験者
 314万円+残業手当+その他家族手当など
※媒体検索「indeed」の2017年10月23日平均給与を独自調査し算出。

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派遣社員の求人と収入

電気CADオペレーターで派遣社員として働く場合は、学歴や年齢よりも技術や経験で評価されるケースが多いです。そのため未経験者でも技術を身につけておくと、自分のスキルに合った仕事内容や勤務地、勤務時間など自分のライフスタイルに合わせた仕事の採用に繋がると思います。
正社員としての採用が難しい大手企業でも派遣社員としてならば働くチャンスがあります。大手企業では数多くのランドマークを手掛けており、現在は東京オリンピックの関連工事が多いと思います。記憶にも記録にも残る建築物の図面を作成するチャンスかもしれません。仕事の経験を通じてスキルアップができ、キャリアアップの実現にも繋がります。

【初年度平均年収】未経験者
 年収297万円+残業手当
※媒体検索「リクナビ転職」の2017年10月23日平均時給を独自調査で算出(1日8時間/20日/12か月勤務で計算)。

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5.まとめ

電気CADをご理解頂けたでしょうか。電気CADとは電気設計に特化したCADのことであり、電気CADオペレーターとは電力の計算リストや電気の配線などをCADソフトを用いて製図を行う職種のことをいいます。
電気CADソフトの種類は多くあり、企業によって採用しているソフトは様々です。就職したい企業が採用しているCADソフトが不明の場合は、トップシェアを誇っているAutoCAD、またはAutoCADの操作方法や画面構成が酷似している無償ソフトのDraftSightで練習することをお勧めします。
現在、2020年東京オリンピック関連の工事が多く「未経験者歓迎」の求人も増えてきています。専門的な知識や技術を身につけて、電気CADオペレーターのスペシャリストを目指すしてみてはいかがでしょうか。電気CADの資格を取得してから電気CADオペレーターの職に就くのも一つの方法だと思います。

【参考記事】
CADフリーソフトとは/超初心者から上級者まで使用できる無償CADソフト、インストール方法や特徴など徹底解説
CADソフト全22種類!特徴と機能・2Dと3Dの比較や選び方も解説

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